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山本甲士『騙り屋』

2007-05-09 16:56:24 | ノンジャンル
 傑作「悪魔のいけにえ」の監督サム・ライミの写真が今日の朝日新聞の夕刊に出ていました。普通のビジネスマンのような顔のおじさんでした。精神異常者の顔を期待していたので、ちょっとガッカリしました。

 さて、今日紹介するのは、吾妻ひでお氏が傑作だという山本甲士氏の「騙り屋(かたりや)」です。
 沖島はラブホテルを張り、赤外線カメラで不倫の現場を撮って、それを材料にゆする仕事をしています。ある日、雪山でスリップ事故を起こし、道から転落し、ケガをしたまま助けを待ち、4日目に地元に住む八木老人に助けられます。八木は大きな建設会社で働いていたが、贈賄事件のスケープゴートにされ、刑務所で1年暮らした人です。その後、この地に移り住みましたが、目の前の山に悪徳業者が産廃の処理場を作ろうとしているといいます。処分場建設反対派のリーダー・宮本は沖島に行政に建設を阻止する力はない、と言う。沖島は八木老人への恩を報いるため、処分場建設を阻止しようと建設予定地の写真を撮ってると、ヤクザの加茂に襲われますが、撃退し、携帯も奪います。加茂は兄貴分の小幡に事の次第を報告しますが、携帯を奪われたというと、小幡はニヤリと笑います。沖島は建設会社の車をだまし取り、建設反対派の町長の家に突っ込みます。加茂の携帯で沖島の位置を把握している小幡は、沖島を捕らえようとします。沖島は町長を訪れ、建設阻止の方法を聞くが、町が土地を買い上げる方法しかない、と言います。加茂は沖島を奇襲しますが、逆に沖島は加茂の車を奪って逃げ、車の中に落ちていた紙から小幡の住所を突き止め、その住所で銃声がしたという電話を警察にします。沖島は携帯で自分の動きが捕捉されていることにまだ気付いていません。沖島はまた加茂たちの奇襲を受けますが、何とか逃げることに成功し、やっと携帯で自分の位置が相手に知られていたことに気付きます。沖島は産廃担当で裏金を作っている県の職員にワナをかけ、酒気帯びで車の追突事故を起こさせます。加茂は奪われた車を発見し、再び携帯を車に張り付け、沖島の動きを捕捉します。加茂は沖島の情報を得ようと、沖島の彼女の部屋へ押し入るが、抵抗され、そこにいた男と彼女に発砲し、男は死に女は重体に陥ります。沖島は県の職員のふりをして、2つの料亭から裏金3千万円を返させます。夜の駐車場で加茂の襲撃を受け、死闘の末、加茂をやっつけ、小幡の仕業に見えるよう工作します。沖島は国土庁政務次官に2千万のワイロを贈り、残土処理計画の再考と、地元のヤクザと関係のある江南不動産の社長に会ってくれるよう頼みます。沖島は政治家の秘書のふりをして、江南不動産の社長に会い、首都機能の移転のため産廃処理場の計画をつぶしてくれるよう頼み、1千万を渡します。江南不動産によって産廃処理場を作ろうとしていた悪徳業者の親玉・新巻は殺され、脱税も明らかとなり、倒産します。その結果、産廃処理場の計画も白紙となります。が、その後、産廃処理場の建設は最初から町長と新巻のデッチ上げだったことがわかり、沖島はただ笑うしかないのでした、という話です。
 沖島と加茂の死闘の場面はかなり迫力がありましたが、後半、話が複雑になって今ひとつ乗れませんでした。少なくとも私の中では傑作というところまでは行っていないように思いましたが、皆さんはどう思われるでしょうか?