gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

ポール・L・ムーアクラフト『独房の修道女』

2007-05-20 16:01:35 | ノンジャンル
 昨日の深夜1時からNHK・BS2で放映された「コンバット」に、ジョン・カサエヴェテス監督作品の常連シーモア・カッセルが医者の役で1カット映っていました。とりあえず、ご報告です。

 さて、吾妻ひでお氏が「少女がひどいことをされるサイコサスペンス」と評し誉めていたポール・L・ムーアクラフトの「独房の修道女」を読みました。
 14世紀のこと、婚約していた16才のクリスティーンは、領主にアナルを犯され床に伏せますが、神の幻想を見て、独房で一生を送る修道女になる決心をします。妹も領主に犯され妊娠し追放されたのを聞き、彼女は独房を抜け出し、妹に会いに行きますが、妹は難産の末死んでしまいます。その後、領主の不正は裁かれ、処刑され、クリスティーンはまた教皇の許しを得て隠修女になります。
 若い女性マーダ・スチュアートは、この小説を書いているデュヴァル神父にさらわれ、地下の闇の部屋へ閉じ込められます。過去に別の部屋に閉じ込められた5人は皆餓死していました。表面上は神父に忠実に振舞い、宗教の勉強をし、生活環境の改善を勝ち取りますが、クリスマスの夜、1階に行くのを許された彼女は全裸になって神父を誘惑したことが彼の怒りを買い、また酷い状態に逆戻りします。マーダの兄は妹の居所をつきとめ、神父を不意打ちしますが、逆に捕らわれ、領主の処刑の再現を彼を使って行おうとしますが、マーダの邪魔に合います。アメリカの学者からクリスティーンは強いられて隠修女になったことを証明され、神父は頭にきてその論文を食べ、のどをつまらせて、苦し紛れに中庭に女の遺体を埋めるために掘った穴に転落します。神父が開けっ放しにしていた水道の水が地下室に流れ込み、マーダと兄が溺死しそうになるところをアメリカの学者が助けてくれます。自宅に戻った神父はクリスティーンの原稿を探しますが、マーダが持ち出していたため見つからず、警官の顔が血の固まりになるまで金づちで殴って殺し、十字架に打ち付けて自分に見せかけ、パトカーを奪い、逃げます。それぞれの人が日常を取り戻す中、アメリカからマーダへ神父から手紙が届きます。そしてマーダはその後、修道院に入り、一生を終えるのでした、という話です。
 ヘクター博士もどきの悪魔のような神父と、善良なる市民の戦い。マーダと神父の駆け引きも楽しめました。ラストの終わり方も「羊たちの沈黙」に似てますよね。ヘクター博士ファンは必読かも?