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鈴木清順監督『花と怒濤』

2007-05-17 15:54:56 | ノンジャンル
 もう何度目になるか分かりませんが、WOWOWで鈴木清順監督の'64年作品「花と怒濤」を見ました。
 恋人のお重(松原智恵子)の花嫁行列に斬り込み、花嫁を強奪した緒方(小林明)。1年後、浅草で人足をして身を隠す緒方を、娘を強奪された組長の命令で黒マントの男(川地民夫)が付け狙います。刑事(玉川伊佐男)は黒マントの男に、今度こそ逮捕してやる、とすごみます。人足を虫けらあつかいする飯場の人間に刃向かったことで、組の者たちに呼び出された緒方は、料亭の女・万竜(久保菜緒子)から拳銃を投げてもらい、助かります。緒方は組合長だと知らず、現場で無礼な振舞をしていた老人を殴りますが、かえって気に入られます。村田組に敵対する玉井組の親分は万竜にぞっこんですが、万竜は緒方に惚れています。飲み屋で働いているお重に、いつになったら二人で暮らせるの、と聞かれても、緒方は何も言えません。村田組の工事を妨害して嫌がらせをする玉井組に単身の乗り込んだ緒方は、万竜に助けられます。2つの組のケンカを見かねた組合長は、自分が中に立って手打ちの儀式をし、今後は仕事は半々でやっていくことにしますが、その後の花会で緒方が破門状が出ている男であることがばれ、また自分をつけ狙う男のサイコロに因縁を付け、サイコロに仕掛けがなかったことから、村田組の組長は恥をかかされたと激怒し、玉井組の組長を殺せば許してやる、と言います。万竜は自分の身を売って玉井から、村田と玉井組の組長が通じて緒方を殺そうとしているという情報を得て、それを知った緒方は村井を殺します。組合長から満州に行くことを勧められ、お重に新潟で会おうと手紙で知らせますが、どうしても心配になり祭りの人込みに混じってお重に会いに行きます。警官や緒方を狙う男たちが行き交う中、お面で顔を隠してお重に会った緒方は「一人で逃げて」という妊娠中のお重を説得し、必ず新潟に来るように言います。そして雪積もる新潟港に着いた緒方にお金を渡そうと追って来た万竜は、緒方をつけ狙う男によって殺され、死闘の末、緒方は男を倒します。そこへ駆け付けたお重は、刑事に捕まり、「生まれて来る赤ちゃんに、お父さんのいるところは刑務所じゃなく、満州だと言わせて」というお重の言葉に、刑事は緒方を見逃し、緒方は満州へ渡るのだった、という話です。
 江角英明、野呂圭介(人足)、高品格(お重の働く飲み屋の主人)ら、この時期の清順作品の常連も顔を揃え、場面転換もすばらしく、ラストの雪のセットも清順映画でしか見られない見事な造型を見せていました。祭りの夜の緊迫したシーンも見ごたえたっぷりで、移動撮影が見事で、マキノ雅弘監督や加藤泰監督の任侠物とはまた違った魅力にあふれていました。何度見てもあきないこの映画、
また見てない方にはオススメです。