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業田良家『自虐の詩(上・下)』

2007-05-13 16:24:26 | ノンジャンル
 昨日深夜NHK・BS2で放送された「コンバット」に、「理由なき反抗」でラストで殺されてしまうサル・ミネオが、臆病な歩兵役でゲスト出演していました。こういう思わぬ俳優が見られるところも「コンバット」の楽しみの一つです。

 さて、以前、NHK・BS2の「マンガ夜話」でも取り上げられ、吾妻ひでお氏も「傑作との評判で、読者にも勧められた」という、業田良家氏のマンガ「自虐の詩(上・下)」を読みました。
 四コマ漫画なので基本的にギャグマンガなのですが、ストーリー性があって、現実の四コマあり、過去の出来事の四コマあり、そして話はラストに向かって進んでいきます。
 無職で無口、ちょっと照れ屋ですが、頭に来るとすぐに何でも(おもに料理の乗ったちゃぶ台)をひっくり返しますが、妻の幸江がしつこく言い寄るのを突き飛ばす時以外は、妻に手をあげることはない、別に良い男というのでもない亭主。その風貌から子供の頃はドラキュラと呼ばれて、いじめられ、現在はパートと家事を忙しくこなし、献身的に夫に尽くす妻の幸江。そんな彼女に言い寄るパート先の食堂あさひ屋の主人。幸江と仲が良く、町会長さんに一方的に惚れて、高額な商品を彼のいいなりに買わされている、隣の人のいいおばちゃん。この人たちが主な登場人物です。
 オチは大体亭主がものをひっくり返すして、周りは大騒ぎ、というのが多いのですが、端から見たらどうしようもない男に惚れて尽くす女、というのを理解できるかどうかによって、このマンガの楽しみ方は変わってくるでしょう。
 特にラスト、これは「マンガ夜話」でも吾妻ひでお氏も言及していましたが、学生の頃一緒にいじめられていた熊のような女の子だった熊本さんが、今は幸せな家庭を築いていて、妊娠した幸江が駅で彼女と別れを惜しむところで、「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。人生は明らかに。意味がある。」という字幕を背景に二人が泣きながら手と手を合わせるシーン。これに号泣してしまう人というのが、思いの他、多いようなのです。ちなみに私は泣けませんでした。弱者への思い遣りに欠けた人間なのでしょうか? もしそうお思いの方がいましたら、ご一報ください。
 そして、このマンガは中谷美紀・阿部寛主演で映画化されたとのことですが、醜男とブスの物語なのに、このキャスティング、何ですか? HP見ましたが、阿部寛は役を作り過ぎて、怖い。中谷美紀はキレイすぎ。原作とは全然違う映画が出来上がったようです。