海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国はチベットで本当の顔を見せている」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2008年03月17日 | 中国の政治・経済・社会
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 チベットにおける中国の最高位の代表である地方共産党書記長であるジャン・チンリにとって、北京の全人代は、すぐに終わった。他の代議員と快く茶を飲んだり投票したりしないで、この書記長は金曜日に人民大会堂を大急ぎに立ち去って、飛行機でラサに戻った。
 そこでは、旧市街が多くの箇所で炎上し、憤激したチベット人の群衆が中国人が経営する商店の前を次々に通り過ぎ、ガラスに投石した。暴動を起こした者と治安警察との間のエスカレーションは、この日の終わりに中国側の発表では死者10人に達し、チベット亡命政府の推定では何倍にも増えた。
 しかし、目下、重要な中国人政治家と北京政府に奉仕しているチベット人指導者たちは、数千キロ離れた北京で、人民大会堂に座っている。ラサ市長のドジェ・チェズクから70才になるチベット人政治家ライディに至るまで。ラサは、中国人の目から見ると、金曜日には、羽目を外しているだけでなく、頭も指導者もいなかった。
 既に土曜日に、事態は変わった。チベット自治区の共産党機関紙「シザン日報」が感心して書いているように、北京から世界の屋根へと飛んだ党書記長は、反対攻勢に移った。 ジャン書記長は、土曜日の早朝、半軍隊的部隊と治安警察とを視察した。ジャンは、彼らに敵対的勢力に対する断固たる戦闘を要求した。「われわれが状況を最終的に平定するために、諸君は手ぬるさを見せてはならない」と強硬路線で知られた56才の共産党指導者は訓示した。
 たった2年前に、彼は不安定な新彊ウイグル自治区からチベットへ配置転換された。敵対勢力に対する金曜日の武装警察の投入を、彼は「治安当局にとっての炎の洗礼」と呼んだ。新華社通信の公式の報道では、金曜日に警官12人が負傷した。チベット人の犠牲者については、新華社は何も報道しなかった。(中略)
 中国仏教会のチベット人代表であるダザ・ダンゼンゲリエは、寺院の改修と文化財の保存に多額の金額を出してくれたことに対して中国政府に感謝した。抗議を行った僧侶の小さなグループは忘恩的であり、彼らはお経を間違った学び方をしたのだと述べた。
 しかし、中国はオリンピック大会のために、思い通りの行動ができないでいる。ラサの出来事は、全人代会議と選挙とから世界の注意をそらせてしまった。それは、8月に開催予定のオリンピック大会に暗い影を落としている。(以下略)
[訳者のコメント]筆者は『ヴェルト』紙に中国についての記事をしばしば書いているジョニー・アーリング記者です。
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