杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

吟醸“出張”王国SBS学苑パルシェ校

2010-05-22 09:56:48 | しずおか地酒研究会

 5月18日(火)夜、SBS学苑パルシェ校の日本酒講座「日本酒の楽しみ方」で『吟醸王国しずおかパイロット版』の試写をしていただきました。SBS学苑の日本酒講座にお招きいただくのは、一昨年のイーラde沼津校以来。さすが、お金を払って日本酒の勉強に来る人たちだけあって、パイロット版の画面を食い入るように観てくださいました。

 

 Imgp2381 SBS学苑パルシェ校日本酒講座の講師は、河原崎吉博さん(丸河屋酒店)。パルシェ校では梅酒や地ビールなどいろいろなお酒講座を持つ人気講師です。

 最初に私のことを紹介するとき、「この人に初めて出会ったのは20年以上前、七間町の映画館近くにあった居酒屋(現在は両替町の“狸の穴”)で、毎週金曜日の夜、必ず独りで日本酒を飲んでいたオネエさんでした」といきなり切り出すので、びっくり&赤面・・・。でもとっても懐かしく思い出されました。

 

 

 七間町の映画館街は毎週金曜日がレディースデーで、1000円で映画が観られるので、ほとんど毎週のように金曜日に映画を観て、観る前か観た後、狸の穴で“地酒修業”をし、狸の穴へお酒を納入していた河原崎さんともちょくちょく顔を合わせていました。

 当時の狸の穴は、私の酒の師匠だった県酒造組合顧問の栗田覚一郎さん(故人)や河村傳兵衛先生の行きつけの店でもあったので、運よくお2人に会えると、直にいろいろ教えていただけたのです。SBS学苑の生徒さんたちには申し訳ないけど、今思うと、呑み代を差し引いても大変ぜいたくな“授業”でした。

 

 

 そんな私の修業時代をよく知る河原崎さんだけに、私が「しずおか地酒研究会」を立ち上げた頃はいろいろとサポートしてくれて、自分自身も「きき酒師」「日本酒学講師」等の資格勉強を重ね、プロの酒販店として恥ずかしくない地酒伝道のスキルアップの努力をしてこられました。

 

 

 

 静岡新聞社から98年に『地酒をもう一杯』を発行した後、SBS学苑で日本酒講座をやりませんか?とオファーをもらったのですが、酒を業務にされている方の中に相応しい人がいるし、自分のような素人が講師役なんて失礼なので…とお断りし、地酒伝道のプロのスキルを持つ寺田好文さん(浜松校)や河原崎さん(パルシェ校)を推薦し、彼らも快く受けてくれました。

 

 SBS学苑は、いくら内容がよくても、受講生の数が減ったら継続できない厳しい掟があるそうですが、河原崎さんは講座を持って8年、いまだに盤石な人気を保っています。これは、内容もさることながら、教室の中をつねに、「また来たい」と思わせる楽しい雰囲気にしようと頑張って来られた河原崎さんの努力の賜物だと思います。

 

 

Imgp2377  今回の講座は、メールで1~2回やりとりしただけで、さして準備や打ち合わせもせず、パイロット版DVDを持ってフラッと来て、ひととおり挨拶をして、映像を観てもらって、あとはおまかせ。河原崎さんは、映像に出てくる6蔵の酒を用意し、その蔵元が映像に登場するタイミングに合わせて酒を出すというニクい演出をしてくれました。

 

 

 

 その後は、受講生のお一人で、静岡市葵区鷹匠の薬膳カレImgp2379ー「いわと」さんが作ってくれた特製酒肴をつまみながら、6種を思い思いに試飲し、感想をレポートにするというスタイル。酒の解説や講釈は一切不要でした。

「・・・これってただの飲み会?」と最初は戸惑いましたが、受講生一人ひとりに声をかけると、「日本酒が好きだけど周りに飲む人がいない、毎月1回ここへ来れば同志に会えるから」「酒蔵見学をしたときは夏場の休業中だったから、(映像を観て)実際にああいう仕込みをしているんだって解ってすごくよかった!」「(唯一無濾過純米原酒だった)始郎だけちょっと味が違うと思ったけど私の味覚がおかしいのかな」等など、積極的に感想や質問をくれて、ただの飲み会ではない、日本酒に対してしっかりとした価値基準と学習意欲を持っている人たちだから、放っておいてもちゃんと受信しているんだと実感しました。

 

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  最後は、観たばかりのパイロット版に感動してその場で映像製作委員会に入会してくれた受講生の一人が、全員に「みなさんも入会しましょう!」とゲキを飛ばしてくれたりして、こちらも感動してしまいました。

 

 講座終了後は、みなさんの勢いに飲まれるように?二次会へ。“はしご酒”でおなじみ静岡駅南銀座の『湧登』の暖簾をくぐったら、カウンターに望月正隆さん(「正雪」蔵元)、高島一孝さん(「白隠正宗」蔵元)が。受講生のみなさんも「はしご酒のときより豪華なメンバーになった」と大喜びで、正雪と白隠正宗をありがたく頂戴しました。

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 河原崎さん&SBS学苑パルシェ校日本酒講座第16期のみなさん、本当にありがとうございました。みなさんたちのような明るい酒徒がいる限り、静岡の酒の未来も明るい!と確信しています。

 講座の様子はこちらもぜひご覧くださいな!


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