提言 COVID-19の集中治療方策/未承認薬への対応および臨床研究について
Recommendations
COVID-19 treatment strategies in the world
名古屋大学大学院医学系研究科
救急・集中治療医学分野
松田直之(Naoyuki Matsuda MD, PhD)
はじめに
2020年3月11日,世界保健機関(WHO)は,SARS-CoV-2の「パンデミック宣言」をしました。東日本大震災から10年目,以前より,そしてこれからも予想される緊急事態です。現在,感染集合クラスターを作らないように,またクラスターからのSARS-CoV-2の伝播に気をつけます。多くの仕事はtele-workが推奨され,会議等の開催を避ける方針としています。潜伏中央値5.5日,定められた確定できる治療薬が存在しない状況ですので,外出に注意する一方で,日本集中治療医学会などは救命の手順を整えています。その上で,病院におけるCOVID-19の診療現場は,一つのクラスターです。病院管理について,行政は各病院の運営に任せるだけではなく,安全管理基準を明確としていく必要があります。
COVID-19のSARS-CoV-2は,病態学的には肺胞嚢領域等の気道末端に親和性があります。ヒトのCT像や病理像を見る限りでは,SARS-CoV-2は肺胞嚢領域の末端に浸潤し,そして肺末梢領域にムチンを増生させる傾向があります。コロナウイルスの受容体は,ACE-2,CEACAM1(ミクログリア,肝細胞,腸管上皮細胞,尿細管上皮細胞などに発現),アミノペプチダーゼN受容体(APN),およびジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP-4)の4つが知られていますが,SARS-CoV-2はACE-2との親和性が高いことが末梢気道への浸潤性に関与しているのかもしれません。このため,急激に症状が出て,息が苦しくなる,つまり低酸素血症が進行し,生命の危機が突然に訪れる可能性があると評価されます。喫煙や副流煙がリスクとなるのは,気道過敏性が亢進している状態であったり,既に肺気腫などのCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などとして肺機能が低下しているからかもしれません。また,喫煙者では,血中ビタミンC濃度の低下の可能性があり,COVID-19において末梢気道領域で活性酸素種の暴露を受けやすい可能性もあります。高血圧や糖尿病がリスクとなる背景として,肺胞末端末端領域のACE-2の発現亢進が関与するかもしれません。
初期に懸念した線維化が進行するなどの病態に難じるというよりは,まずは末梢気道の閉塞性病態の進行に注意します。末梢気道開放と末梢血管保存として,また,器質化を残さない長期予後を考え,リハビリテーションを考える集中治療が重要となります。
2020年3月4日にCOVID-19管理バンドル(線維化抑制)を,ウイルス性間質性肺炎が進行する可能性としてして記載させて頂きました。薬理学的かつ病態学的に有害性が生命の危険に直結しない治療については,院内承認を得るとともに,特に患者さんに十分な解説を行い,承認を得ることを重視し,進んで加療することが期待されます。治療指針においては,医師の病態生理学的解釈と論理的思考が大切です。その上で,副作用や有害性の高い治療や,有効性が境界領域か,専門家内で意見が異なるような内容については,臨床研究に持ちこむことが必要です。
本稿は,海外の先生に返答させて頂いた内容です。診療にあたっては,病態学を討議するとともに,薬理作用とPK/PDを考え,副作用の低い内容についてはジャストタイミングの治療が期待されます。論理的に明らかに有効で,有害性が極めて少ないものについては,生命の尊厳を損なう危険性を考慮し,臨床研究の実施については登録と観察研究が望ましいです。
出典 WEB掲載中:Inui S, et al. https://pubs.rsna.org/doi/10.1148/ryct.2020200110(感謝:参考とさせて頂いています)
COVID-19の診療と行政に期待されること
2020年3月末の本邦では,科学的論拠を共有しながら,治療の1st lineを整えることが必要です。また,政府には,① COVID-19を管理する場所の整備強化,② 人工呼吸器やCPAPマスク等の備蓄(緊急時:3Dコピーの許可・承認を含む),③ 薬剤・機器承認体制の強化(薬機法の例外的緊急対応),④ ワクチンの早期開発への支援が期待されます。その上で,臨床研究では,病態学的かつ薬理学的に効果的と予測される治療においては,使用の有無による2群に分けての前向き臨床研究は,生存を損なう危険性に十分に注意します。
A. 気管挿管されていない場合
1.吸入療法
1st オルベスコ®(一般名:シクレソニド)
2nd ムコフィリン®(mucofilin,一般名:N-アセチルシステイン)
N-アセチルシステインは,前向き臨床研究が良いかもしれません。
検討内容/海外との共有
□ オルベスコ®(一般名:シクレソニド)の優位性:未承認および適応外使用,2018年12月からの薬機法に準じる場合には臨床研究が必要です。
□ ムコフィリン®(mucofilin,一般名:N-アセチルシステイン)の酸素投与時の有効性
2.抗SARS-CoV-2療法
1st 肺移行性の良い抗ウイルス薬(RNAポリメラーゼ阻害剤)の使用が重要です。理論的にはアビガン錠®(一般名:ファビピラビル)が第1推奨ですが,薬機法では未承認薬の扱いとなります。肺移行性からは,アビガン®が期待されます。
検討内容
□ アビガン錠®(一般名:ファビピラビル)
□ 投与期間:アビガン®は,成人には1日目は1回1,800 mgを1日2回,2日目から5日目は1回 800 mgを1日2回の経管投与とし,総投与期間は5日間を1つの投与法としますが,院内の倫理委員会の承認(あるいは包括同意)の下で投与期間を1週間以上に延長することを検討します。肝機能低下例では,投与量を半量とし,肝逸脱酵素の動向を評価します。
※ 未承認および適応外使用,2018年12月からの薬機法に準じる場合,日本での臨床研究が必要です。
3.急性死亡の回避:最重要課題 用手換気技術の養成
肺胞領域および呼吸終末細気管支領域のムチン性窒息,低酸素による徐脈心停止に注意が必要です。急激に悪くなる理由は,鼻水が増加するなどの手前の気道で病変が進行するのではなく,SARS-CoV-2受容体(ACE-2など)の多い肺末端で病変が進行し,低酸素となっていくからと考えています。このため,喘息における心停止回避に準じて,open lung,ジャクソンリース回路で換気できる技術が重要です。自発呼吸に合わせることが大切ですので,アンビューバックはダメです。病院では,PPEなどの自身へのエアロゾル防御体制で赤ゾーンとしてのゾーニングの下でジャクソンリース回路で気道確保のできる指導者が緊急時の救命に必要です。人工鼻をマスク接続部につけること,用手的PEEPがポイントとなります。
※ エアロゾル拡散のためにゾーニングやPPEの厳格化などの注意が必要ですが,DRカーやERなどにおける呼吸緊急では必修技術です。胃に空気を入れない,また嘔吐に注意する指導となります(臨床指導)。
ジャクソンリース回路での救命 1 急性心筋梗塞:丹羽成彦,三木裕介,杉浦由規,森田純生,林田 竜,松田直之,近藤 和久. ドクターカーの活用により救命したLMT心筋梗塞の一例. 日本循環器学会 第154回東海・第139 回北陸合同地方会 2019年10月19日 金沢. 現着時,低酸素性心停止の直前でジャクソンリース回路を用いて約15cmH2Oの陽圧をかけ,肺水腫による低酸素性肺をリクルートメントし,会話できる状態で現地よりカテーテル室へ早急に搬送しました。
ジャクソンリース回路での救命 2 羊水塞栓症:Hosono K, Matsumura N, Matsuda N, Fujiwara H, Sato Y, Konishi I. Successful recovery from delayed amniotic fluid embolism with prolonged cardiac resuscitation. J Obstet Gynaecol Res 37:1122-5, 2011. ジャクソンリース回路を用いて約15cmH2Oの陽圧をかけ,肺水腫による低酸素肺をリクルートメントし,救命しました。
ジャクソンリース回路での救命 3 致死的肺挫傷:星野弘勝,丸藤 哲,早川峰司,亀上 隆,松田直之,南崎 哲史. 鈍的気管支損傷に対する片肺全摘術後にみられた肺高血圧症に対してPCPSを施行した1症例. 日本救急医学会雑誌15:17-21, 2004 注:2000年6月4歳の子供さんの車の挟まれ事故として,右片肺挿管として縦隔気腫を増悪させずに心停止を起こさずにECMO(PCPS)スタンバイで5~6時間用手換気で救命しました。
日本/海外検討内容
□ ジャクソンリース回路の有効使用の調査,ジャクソン回路での自発呼吸下CPPV
□ たこつぼ型心筋症/心拡張不全合併の調査
□ 心筋炎を疑う比率同定
4.パルスオキシメータ管理
モニタリングとして,パルスオキシメータの適正管理が不可欠です。パルス波形を評価することも期待されます。
検討内容
□ パルスオキシメータ管理の有無による死亡率調査
5.PPE講習
医療従事者は,災害医療に準じて,自らが被災者としてCOVID-19にならないことが大切です。PPE講習,気道管理におけるPPE重要です。
B. 気管挿管されている場合
1.大量ビタミンC投与療法
高濃度酸素投与を行っている場合,活性酸素種の産生に注意が必要です。COVID-19でKL-6が上昇しているケースや酸素投与濃度(FIO2) 40%以上(PEEP 10 cmH2O以上)では,大量ビタミンC投与療法は抗酸化療法や相対的副腎機能低下の回避として有効かもしれません。成人の敗血症における大量ビタミンC静注療法では,ビタミンC 1,500 mg(15Aレベル)を6時間ごとに,急性期4日間,あるいは集中治療室退出までとしています。初期の救命に加えて,長期予後に関与すると考えられる全身性線維化からの器質化を抑制することを目的とします。一方,経管栄養としてのビタミンC補充は,消化管吸収や排泄促進などのために血中濃度や組織濃度を高めるための限界があり,一般には1日量1,000 mgを経管投与の最大量としています。 ビタミンC大量投与の有害作用としては,下痢症状,腎機能低下および腎結石(シュウ酸結石)です。喫煙者では,ビタミンCレベルが低い可能性がありますので,通常レベルのビタミン補充が不可欠です。
2.Dーダイマー上昇例の対応
肺局所のAT活性は低下していることが予想されます。KL-6が上昇していない例ではAT活性70%以上を目標としてATⅢ投与(アコアラン®),さらにKL-6が上昇している状態ではリコンビナントトロンボモジュリン(リコモジュリン®)を検討します。TEMPRSS抑制作用があるかもしれません。これは,急性膵炎に準じた毛細血管後血栓症の治療としても重要です。一方,メシル酸ナファモスタットは血液浄化法を併用する際には,私は回路内投与の1stチョイスとしています。しかし,この静注療法は線溶系を抑制しますので,COVID-19初期の線溶亢進状態では使用できるかもしれませんが,CRP上昇として線溶抑制状態に移行していく段階では線溶を過剰に抑制する可能性があり,血栓形成の危険性を高めます。また,半減期が短いので,肺内濃度は上がらないと予想します。
肺胞嚢や呼吸終末気管支レベルの細胞障害に伴うmicroangiopathy,血管内皮症傷害と血栓形成傾向に対して,ヘパリン持続投与を検討しますが,これはECMOでヘパリンを使用している際の肺胞出血のように,肺胞出血に注意します。厳格に部分トロンボプラスチン時間(APTT)をモニタリングできることが重要ですし,TATが上昇しているにも関わらず,AT活性が維持できている場合であればリコモジュリン®が良いかもしれません。炎症期のヘパリン使用は,ヘパリンの有害性に注意が必要です。
検討課題:D-ダイマー>基準値の4倍以上,DIC様の時系列解析(線溶亢進 OR 線溶抑制)
□ リコモジュリン®(一般名:リコンビナントトロンボモジュリン) KL-6>500 U/Lの場合 3日〜6日間 380単位/kg
□ アコアラン®(一般名:リコンビナントATⅢ) AT活性>70%目標のAT補充療法(持続投与法の検討)
■ ヘパリン 400~600 単位/時(成人) 持続投与 APTT比 1.5目標
3.NO吸入療法および腹臥位療法
臨床研究:前向きランダム化試験施行中 MGH
□ 海外施行中:COVID-19におけるNO吸入療法
4.CRP波形下面積
肺局所の炎症活性を軽減できていない場合,肝臓でのCRP産生が高まります。改善速度のアウトカム評価として,私は朝6時の採血を基準としたCRP波形下面積の最小化が大切と指導しています。炎症を如何に早く深く下げこむかが,急性期管理技能となります。
検討課題
□ CRP波形下面積とPICS
□ CRP波形下面積と在院日数
5.IL-6受容体抗体 ケブサラ®(一般名:サリルマブ)
臨床研究:前向きランダム化試験
□ IL-6受容体シグナルの抑制効果の検討
□ CRP波形下面積へのケブラサ®の検討
C. ECMO管理の場合
ECMOは,最終の救命措置です。重症化後はその後14日までのSARS-CoV−2に対する免疫の獲得まで,上述の気管挿管下での治療において細菌性2次感染のリスクを低下させる医療技術が期待されます。また,たこつぼ型心筋症やカテコラミン誘導性心筋症(Ca overload)になっている場合は,ランジオロール(オノアクト®)の併用を検討して下さい。一方,徐脈やAFでは,心房筋へのSARS-CoV-2播種やCOVID-19におけるアセチルコリン血症を考えます。
検討内容
□ ビタミンC大量療法:抗酸化療法として
□ 細菌性感染症併発のリスク解析:皮下ポケットに注意
□ 心拍数>100/分 → 心拍数目標 < 94/分 ランジオロール(オノアクト®)の併用 1~7μg/kg/分
□ 唾液量増加・徐脈傾向 → アセチルコリン血症の評価,心房筋播種の評価,唾液腺播種評価(唾液評価やアミラーゼ評価を含む)
□ 経腸栄養を続けることができるかどうかの検討
D. 腎機能低下例:腎不全対応
血液浄化法として,CHDFをお勧めします。
世界での検討内容
□ CH(D)F vs 間欠的透析:私はCHFを選択します。
□ 使用膜の検討:私はPMMA膜をお勧めしています。
E. 行政介入:医療体制の整備
政府の指導として,COVID-19診療の場は一つのクラスターと認識し,しっかりとCOVID-19診療場を分離する体制を,超急性期病院と急性期病院に整えることが必要です。大学病院などの超急性期病院は,救急・集中治療の診療教育機関であるとともに,気管挿管,人工呼吸器の適正使用,非侵襲的人工呼吸におけるCPAPやBIPAPの有効活用,またECMO管理をルーティンに施行している状況にありますので,これらの教育と指導を地域及び国内に行うことが期待されます。
現在,日本には約6,500床の集中治療ベッドがありますが,この一定数の集中治療ベッドは手術後,急性心筋梗塞後,脳卒中後,がん患者さんや免疫不全患者さんの急変など,通常の集中治療管理の場として残す必要があります。これらのICUベッドは,SARS-CoV-2感染の疑われる患者さん管理と分離し,クラスター分離システムとすることが必要です。COVID−19は,決して数ヶ月で収束するものではなく,また今後の大災害や新興感染症にも留意し,事前性をもって備えることが必要です。国家安全として,事前的医療対応が最も必要です。
以上,政府の指導として,特に旧帝国大学では,がん診療などの病院内診療とは別な仕組みとして,外部から搬入されるCOVID-19等の新興感染症・再興感染症に対応する「救命救急センター設立(感染症管理陰圧個室を含む)」の仕組み化,必修化が不可欠です。既にこれまでの平成9年度勧告4(10)に基づいて,すべての国公立大学に「救命救急センター」を設置すべきでしたが,未だ必ずしも整わず,国民や救急診療教育に適切に寄与できておらず,救急・集中治療の診療・教育体制を強化する必要がありました。国公立大学に対しては,診療・入院加算の補助の中で救急医療の診療と教育を充実させ,さらに地域の救命センターや急性期病院等との連携および教育指導とし,呼吸管理,ECMOを含む呼吸循環管理,急性血液浄化,全身管理などの診療体制を充実させ,さらに診療研究の発展のために診療データベースを充実させるように指導することが不可欠です。
今回のような急性期感染症治療を含む救急医療体制の整備が,現在から将来までの院内安全管理の一環として必要となります。大学には,空気感染やエアロゾル感染などに注意した空間配置として,救命救急センター(ICU・陰圧個室数床を含む)を設置させます。救急科指導医・集中治療専門医などの専門性の高い資格を持つ教授等の指導下で,より明確な診療と管理が国家安全管理とともに実施されることが必要です。10年以上先の緊急時医療の充実を多角的に予測し,救急領域の安全医療と医療保護を約束することが不可欠です。今回のような治療および診療体制構築のために,政府には全国公立大学病院の救命救急センター設置に補助金を支給することが期待されます。この整備ができていなかったことを,これまでの反省や責任として終えず,強い反省として,現在こそ,未来に向けて緊急性医療を基盤化させる時であると提言されます。
本邦での超急性期病院・救急救命センターICU増設の課題
□ 2020年秋以降のリバウンド対策:行政と連携した国立大学連携構想,感染症および集中治療に強い医師及び医療従事者の招集と育成
□ 旧帝国大学における院内ICU(定期/院内)と緊急ICU(救急ICU)の分離:敗血症管理を含む救命救急センターの整備・移送連携,救急センター内陰圧個室設置,救急センター内ICU設置,国公立大学間広域搬送システム,国公立大学間集中治療専門医共有システム等
□ 病院リーダーシップの育成:先見的病院執行部の充実(多様的結束の支持),柔軟性と決断性の推進
F. 行政介入:抗体治療の整備
COVID-19から回復された患者さんの有志として,献血をお願いし,血漿を安全なものとして保存する計画を進行させることが提言されます。
本邦での検討
□ RT-PCR検査陰性への注意/留意:退院まで2回の陰性を確認していますが,血液にSAES-CoV-2が存在しない安全確認および明確な手法が必要です。(日赤,血液製剤管理企業等との検討)
□ SARS-CoV-2血漿投与基準の確定:重症ARDS,免疫弱者等のSARS-CoV-2血漿を優先的に投与でる患者群を明確化する必要があります。
□ ワクチン開発:RT-PCRと同様に,ターゲット分子のモノクローナル抗体に加えて,ポリクローナル抗体作成にも期待します。ファジーディスプレイ法などを用いるのでしょうか(検討)。
留意事項
□ 動物のコロナウイルス感染症:動物は,家畜を含めてコロナウイルス感染症に罹患しやすいことが知られています。動物では,コロナウイルスの抗原性が変化することが指摘されています。SARS-CoV-2は,ヒトで流行してしまったことから,ヒト内で抗原変異する危険性に私は留意しています。インターフェロン療法などの確立も必要かもしれません。
G. 留意事項の整理
□ 喫煙
□ COPDの既往
□ 間質性肺炎
□ 免疫膠原病
□ 心機能低下(たこつぼ型心筋症,慢性心不全など):SARS-CoV-2心筋炎の個別化と比率解析
□ 慢性透析療法あるいは慢性腎不全の既往
□ 予後関連遺伝子解析:死亡群と生存群の集中治療室入室時の遺伝子発現形式
;WBC total RNAマイクロアレイ評価,olfactomedin 4 (OLFM4) の発現形式など
□ ADL低下状態への配慮
□ DNAR:診療の別枠で考える必要性や可能性
おわりに
現在のCOVID-19,SARS-CoV-2において,世界の皆さんが感染症管理を学んでいます。世界的に共通の克服課題として,行政や国公立大学病院の役割が問われる内容です。医療活動においても,国公立大学への救命救急センター完備などの国からの多額の補助が期待されます。
一方,ご自身は,SARS-CoV-2に暴露されず,COVID-19にならない工夫が求められます。社会的には,自己隔離に加えて,喫煙の習慣のあるものには喫煙を止めて頂き,また排ガスの仕組みを改善することが期待されます。SARS-CoV-2だけではなく,匂い,スプレー,排ガス,煙,多くの有害分子の排泄を,私たちは日常から減少させていくことが大切です。
初版:2020年3月26日(木),追記・修正:2020年3月29日(日),2020年3月30日(月),2020年3月31日(火),2020年4月1日(水),2020年4月23日(木)