救急一直線 特別ブログ Happy保存の法則 ー United in the World for Us ー

HP「救急一直線〜Happy保存の法則〜」は,2002年に開始され,現在はブログとして継続されています。

救急医療 愛知県における周産母子救急患者受入れシステムの紹介

2012年05月30日 12時19分07秒 | 救急医療
 愛知県では,2010年7月1日より名古屋大学医学系研究科で独自に開発した電子システム「ホスピタルナビ」を導入し,周産期母子の救急要請に対して速やかに対応できるシステムを稼動させた。現在,県から割り当てられた18か所の周産期母子医療センターと,県下110か所の分娩施設に,iPHONE®を設置し,周産期母子の救急患者受入れ要請メールを一斉配信している。メールの返信により,搬送先施設が決定となり,一度決定されると次施設の受付ができないように設定されている。
 2010年7月1日から2012年5月18日までの約1年11か月の期間において,総件数は72件であり,その内訳は産褥婦67件,新生児5件だった。受入れ決定までの時間は,中央値3分であり,極めて速やかに応需が達成されていた。
 現在,このようなホスピタルナビシステムを用いて,急性薬物中毒を含めた「精神科救急」への応用を検討している。さらに,急性薬物中毒においては,その精神フォローを行って頂く連携病院を探すGPネットが愛知県医師会に立ち上がった。

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救急医療 名古屋大学MTASSトリアージボード 

2012年05月30日 12時06分46秒 | 救急医療
 名古屋大学医学部附属病院は,2011年度には救急外来受診者数が12,024名,救急搬入台数が3,130台へ増加し,さらに関連連携病院との医療連携システムを充実させ,より広く救急医療を教育し,救急医療の質と救命率を高めるために寄与しています。この当院の3次医療機関/災害拠点病院としての役割の中で,災害モード以外は,病院統合情報システムが採用され,救急外来診療を含めた全ての診療システムが電子化されていることが特徴です。
 これまで,救急外来を受診した患者さんに対しては,紙ベースでトリアージを行なっていましたが,私の着任後,救急外来でのトリアージを電子化することを目的として,名古屋大学医学部附属病院メディカルITセンターと看護部と共同し,独自にiPad®伝送電子トリアージシステムMTASS(Meidai Triage and Acuity Scale System)とトリアージ電子ボード(MTASS-B)を開発し,これらを2011年10月1日より稼働させました。さらに,現在,平成24年度診療報酬改定による院内トリアージ実施料請求に向けて,当院の電子カルテシステムに統合できるようにアップデートしています。第40回日本救急医学会(京都)では,この当院独自のシステムであるMTASSの特徴を紹介し,そして今後の課題と展望について論じさせて頂こうと思います。

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