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“読後感 バブル金融秘史 恩田 饒著” ‘23-4-11

2023-04-10 21:53:20 | Massy's Opinion
  • Massy’s Opnion
先日 銀座の白石画廊が主催する高齢者向けのゴルフ会「山川草木ゴルフ会」事務局から、1冊の新刊が送られてきた。帯には、バブルとその崩壊、回生なき「失われた30年」。貴重な教訓を我々はどう生かせるか?と書いてある。一番僕の考えている事であり、大きく興味を持たせられた。
勿論、僕は何度もゴルフ会に誘われて頂いているが、コロナ以降、体調を崩し一度も参加していないので、著者の氏名も知らない。唯、白石画廊の社長から、ゴルフの会の趣旨も聞いていたし、多分そのメンバーの人の著書だろうとは思った。タイトルに惹かれてすぐ読んだ。約280頁の本である。今の僕の読書力からは読み終わるのに5日はかかった。

 先ず感じた事から綴って見よう。 著者は1934年生まれ、1962年東大卒、同年大和証券入社、大和証券常務取締役、証券団体協議会常任委員長などを経て1995年現インベスト証券社長に就任、という経歴である。生年は全く僕と一緒、そういう意味では、全く同じような視点、を持っていると感じた。
著者は、大和証券入社時に「副社長には成ろう」と心に決めたと書かれているが、僕は入社した時にそんな事は考えなかった。将来、親父の遣っていた部品商を継がなくては...と言う漠然とした考えしかなかった。僕らの同期近辺の入社した者の中で具体的ポストまで狙いを決めていた者は多分居なかったと思う。2000年頃、一時期高校野球部の学生達に就職の相談を受けたりした時期があったが、会社へ入ったら、「俺は社長に成りたい...」と言え、そうすると先輩たちから、「お前何言っているんだ...そんな汚い字を書いて...」とか「遅刻なんかしやがって...」と怒られるだろう。そうしたら、「素直に直せ」「二度と同じ事で叱られないようにしろ」と言ったものだ。中々入社時に副社長(社長でなくて)に成りたいと具体的には決められないと思う。そう言う意味で、この本の中では、登場人物に一切敬称を使って居ないのも、面白い書き方だと思った。
MOF担と言う言葉が沢山出てくるが、大蔵省出入りの担当者の事だと言う事はかなり知られているが、自動車業界の中にも同じ様な担当部署があった。先ずは運輸省、通産省であろう。ディーラーになるとそれにメーカーとの折衝部署が加わる。車の仕入れ、営業部門への配車、登録、競争相手のディーラーとの折衝等を担当する部署である。先輩からは、「メーカーと自動車検査場の検査官と狂人には逆らうな...」と教えられたものである。1957年当時は運輸省も法律もメーカーの人もよく解っていない時代だったし、それでも殆ど毎日車検場には通ったものである。この本を読んでいて、金融業界も同じようなものだなと感じた。
人事問題は金融業界ほど官庁の介入は無いだろう。矢張り国の根幹をなす金融業界はそれだけ業界の在り方がポイントになるので、色々介入の深さが大きいだろう。
僕が書いている此のブログでも、人名等は神経を使って居るが、この本は前述した通り実名で書かれているが、著者の年齢がさせるものか?殆どの人が既に亡くなられている人か?今、我々、日産の下で、車を作り、売って居た仲間も、殆ど昔のことを知っている人は居なくなってしまった。僅か数人の仲間でゴーン以前の日産の販売について書き留めて置くことが必要なのでは...と言う話もつい半月ばかり前に話し合ったばかりだ。それだけ世の中の回転が速くなって居るのだろう...

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