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高校サッカー 準決勝の感想

2006-01-07 22:31:48 | 中村 俊輔
全国高校サッカー選手権の準決勝、野洲-多々良学園を見た。

両校とも攻撃が持ち味とあって、攻撃に形があっておもしろかった。
野洲は右サイドからのクロスを放り込み、ゴール前で競って点を入れるタイプ。
サイドを駆け上がるのではなく、中盤は真ん中で形を作り、右サイドへ出す。
右へ出す分攻撃が遅くなって、ゴール前のDFが増えるが、正確なクロスによって、確実にチャンスメイクしていた。

千葉入りが内定しているFW青木はその中でも目を引いた。
この日は残念ながらポストを叩いて得点できなかったが、1対1で負けない強さと、DFを置き去りにするキレがあった。
それと、ポジショニングが的確でよくフリーになっていた。
強さとセンスを感じた。

チームの戦術はユニークだ。
ヒールキックやワンツーを駆使し、個人能力が高い。ボール扱いがうまかった。
まるで俊輔の個人技を一回り小さくしたプレーが続出し、今までの高校サッカーにない創造力を感じさせた。

対する多々良学園は力強い。シンプルな組み立てで前へ前へとボールを回し、FWのハウバード・ダンや平本へつないでシュートをする。
リズムは多々良学園の方が良く、FWに当たりが出れば勝てそうだった。フィジカルは断然多々良のFWが有利だった。
が、個人技頼りのサッカーは、見ていて残念な場面もあった。
左サイドにフリーな選手がいるのに、中央からの攻撃に終始し、変化に乏しかった。
これが野洲のDFの集中力ある守りに阻まれ、最後までゴールネットを揺らせなかった。

象徴的なのは、ラスト10分。
野洲はDF3人をゴール前に1列に並べ、3人で囲むようにディフェンスしていた。
ボールは支配されても、最後の壁はこじ開けられない。
固い守りの戦術だった。
そればかりか、野洲はロスタイムはコーナー近くでボールを回し、ずる賢く時間を稼いでいた。
高校サッカーがこんなことするなんて正々堂々としていないなと思ったが、ヨーロッパサッカーが簡単に見られるようになった環境面の整備が、今までにないサッカーを見せたのであるから、やむを得ないのだろう。
よく言えば冷静だ。勝利に徹している。
勝負に割り切りも必要なのだろう。

野洲にはサイドへのパス出しの遅さを感じ、高校サッカーのレベルと痛感してしまったが、細かくつなぐサッカー、創造溢れるプレー、ダイレクトパスだけじゃなくボールを止めるが、DFをかわす動きが新鮮だった。
このサッカーの完成度が高まれば、ブラジルのようにスピーディーになれば、とてつもなく可能性を秘めたチームになる。
突出した選手がいないが、平均化している。
日本チームの方向性を示されたような気がした。

1-0で勝った野洲は、決勝は鹿児島実業との対戦。
優勝して注目されればおもしろいなと思ってしまった。


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