メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

シダの花

2006-11-23 11:14:09 | Weblog
たまたまCATVで、ポーランド民話の「シダの花」のアニメを見た。

【ストーリー】

『~夏至の真夜中に、森の中で幻のシダの花が咲く 
 見た者は、願いが叶えられるというが、
 未だ見た者はいない~』

そういう言い伝えがある。

夏至のある1日、パヴェル一家は、作物を野鳥に台無しにされ、狐に最後の鶏まで奪われ、食べ物がなくて途方に暮れていた。
そんな家族の落胆振りを見て、パヴェルは「森へ行って兎や鴨や魚を捕まえて来るよ」と、夏至だからやめてという両親を振り切って出かけてしまった。

が、何も捕まえられない。疲れてくる。
馬までもが、彼を突き飛ばしてどこかへ行ってしまう。
倒れこんだ彼の目に映ったものは。。

それは赤と黒で点滅している、シダの花だった。
「Pick me」
花は囁きかける、「摘んだら誰よりもお金持ちになれる。
誰にも言ってはいけない、すべてはあなたのもの。あなたのもの。」
躊躇したパヴェルだったが、最後には摘んでしまう。

その瞬間、パヴェルは高貴な衣装に身を包まれ、どこからともなく馬車がやって来て、彼を宮殿に連れていった。
宮殿は、すべてが豪華で満たされており、友人までもがいた。

ある日パヴェルは、馬車で自分の生まれた家の前を通りかかった。
両親や妹がすぐに出てきてくれたが、パヴェルのポケットからこぼれた金貨を妹が拾った時、
シダの花の「すべてはあなたのもの」の言葉が浮かび、
「ぼくのものだ」と、咎めてしまう。
それを聞いて「パヴェルじゃない。人違いだ。パヴェルならパンを分けてくれる」
と引っ込んでしまった。
気落ちし、馬車を宮殿に走らせるパヴェル。

それからというもの、何を見ても、おもしろくない。
夜中、森の中の明かりを見つけ、自分で馬を走らせ、村人たちのダンスを見たりもした。

ある日、また彼の生まれた家に出向いた。
妹が戸口に出たが、取り合ってくれない。
そこで、パンを出し、「これを分け合いたい」と言うと
やっと出てきてくれた。
既に両親は他界していて、庭に粗末な墓があった。
「許してくれ」と謝罪すると妹は、
「やっとパヴェルが戻ってきてくれた」とつぶやいたのだった。

【感想】

このアニメは、最初英語だけで語られた。
何を言ってるのかあまりわからなかったが、短い解説と、再び英語字幕付きでアニメを流してくれたおかげで、多少は理解した。
細部が不明だが、このような筋だろう。

誘惑に勝てず、禁断を犯したが、後で間違いに気付くというストーリーはあちこちにあると思う。
グリム童話の、ヘンゼルとグレーテルも似たようなものだ。
金の鳥だって、最初はお姫様が触ってしまったのがそもそもの始まりだ。

子供には、やってはいけないことをしたら、あとでどんな罰を受けるのかという、戒めの意味を持たせている。
因果応報。
大人には、お金持ちが何の意味を持たないことを教えてくれる。
大切なのは、信頼できる人の心だ。
欲をかいてはいけないのだ。
また、自分の非をすぐに認められないと、手遅れになる。
取り返しがつかないってことも。

力強い筆致で書かれた絵から迫力が伝わり、見入ってしまった。
その日その日を、生きるために精一杯生きている民話の世界。
世界共通の認識だなぁ。
私ももっと毎日を大切に生きなくてはと、反省。。