メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Wuthering HeightsのThe Shadow Cabinet

2006-11-06 23:09:21 | メロディック・ハード
デンマークのプログレッシヴ・メタル・バンドの4作目。
今回は、イヴィル・マスカレードの中心人物であるヘンリック・フライマン(G)が脱退している。
けれど、メインのギタリストであるエリック・ラヴン・クリステンセンやボーカルのニルス・パトリック・ヨハンセンは健在。
新たに加わったのが、Manticoraのマーティン・アレンダル(G)というのはうれしい。
民俗音楽を取り入れた、質の高いテクニカルなメタルを聴かせてくれる。

彼らの良さは、プログレっぽいメタルの部分が強力なこと。
2曲目の“Beautifool”は疾走曲で、お決まりの早いドラミングと、高速リフに乗ってガンガン迫ってくる。
それも、ストレートにただ押すだけじゃなく、曲の切り替え・変調、変リズムがあり、複雑な音に仕上げている。
これらのテクニカルな楽曲の上で、パワフルかつヘヴィーなパトリックのボーカルが君臨し、ぐいぐい引っ張る!この強引さがいい。

下地にクラシックの要素があり、メタルで全面を覆い、民俗音楽で装飾を施している。
ネオクラシカルなプログレメタルが素晴らしい上に、民俗音楽の叙情性が加わり、Wutuering Heightsとしての個性を強烈にアピールしている。

土着的な民俗音楽を使いながら、高い芸術性を感じさせるのは、
メタリックな楽曲の完成度が高いためと、メンバー全員がテクニカルなためだろう。

パトリック・ニルス・ヨハンセンは、このアルバムでも素晴らしい歌声を披露している。
ロニー・J・ディオのような熱唱や、軽く切なく歌う唱法、まるで別人のようなスローパートなど、変幻自在だ。
彼の歌の変化を追うだけでも楽しい。

前作よりも、民俗音楽部分が減り、個性が薄まったが、まだまだ十分に個性的。
今年度のプログレメタルの中で、最上位を占めると思う。