東京ナイト

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『盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-』@シアターコクーン

2013-07-18 22:36:47 | ライブ、芝居、演芸など
という訳で、先週10日(水)、渋谷にお芝居を観にいってきました。

『盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-』@シアターコクーン



作:唐十郎
演出:蜷川幸雄
出演:古田新太、宮沢りえ、小出恵介、小久保寿人、大林素子ほか

去年、同じ唐十郎×蜷川幸雄×宮沢りえの組み合わせで、本当に感動的なステージだった「下谷万年町物語」。
あの時の、宮沢りえの圧倒的な存在感。
それを楽しみにしていたのですが、今回はしょうじき少し期待外れでした。

舞台は前作とはうってかわって、コインロッカーが舞台に並ぶだけのシンプルなもの。
その前で、唐芝居らしく、あふれるように台詞が紡がれていきます。
舞台は動乱の70年代。
盲人、古田新太が、決して従わない盲導犬ファキイルを探しています。
その前に現れたのは、不良少年の小出恵介と、コインロッカーに詰まった爪を燃やす謎の女、宮沢りえ。
この3者の掛け合いで物語りは進んでいくのですが、しょうじき、あまり物語りは展開せず、ずっとコインロッカーの前から動けない印象。
宮沢りえの演技を一番の楽しみにしていましたが、今回は何故か、それ程のオーラは感じず、むしろ演出や台詞廻しの古臭さが目立った気がします。

「下谷万年町物語」の宮沢りえは登場しただけですごいオーラを発していて圧倒されたのになんとも不思議です。
汚れてはいても、「掃き溜めに鶴」だった前作と比べ、昔の彼との思い出に縛られコインロッカーの前から動けない、という役柄の小ささによるものなのでしょうか。

いっぽう古田新太は、焦燥感や狂気を醸しだしながらも時々笑いもはさんで孤軍奮闘。
でも見ていて時々、「太巻社長」って言いたくなっちゃいました。

あと、大林素子も、高身長を活かした役柄でなかなか良い感じ。
こういうキャスティングはおもしろいですね。

という訳で、チケット代があそこまで高くなければ、「まずまず」とか言えましたが、頑張ってS席を取った割には、宮沢りえの魅力が感じられなかったという感想でございます。

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