東京ナイト

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『自由について──七つの問答──』

2010-03-17 22:59:15 | 
本は『自由について──七つの問答──』(SURE)
鶴見俊輔さんの主催による丸山眞男さんとの勉強会をまとめた一冊。
一般の書店流通はしていないようで、直販がメインとの事。僕は京都の恵文社で購入。でもすでに4刷とあるのですごいね。



碩学による実に含蓄に満ちた内容で、しょうじきその半分も理解できていないと思うけれど、それでもかなり興奮しました。

内容は鶴見さんたちが、丸山眞男さんに七つの質問をぶつけ、それに対して問答があるというもの。発表を前提にしたものではなく、勉強会の一環だったと言うことだが、とても信じられないほどの深い内容。

質問はこんな感じ。
* 仏教が日本の思想史にもたらした影響は?
* 国家に対する〈不服従〉という思想は、日本文化の基層にもありますか?
* マルクス主義は再生するでしょうか?
* 少数者の権利が守られる社会の鍵はどこにあるでしょうか?

例えば江戸の幕藩体制。
将軍家と天皇の関係は「至尊必ずしも至強ならず、至強必ずしも至尊ならず」という関係だが、その将軍家も内部構造を見ると、将軍は権威しか持たず、実際の権力は老中。その老中も月番制で、さらに目付けという監査役もいて多元的な構造だった。ここが垂直的な権力構造を持つ欧米や中国との一番の違い。

そこから「和」の精神の良い面と限界点も出てくる。紛争や競争の大切さが一方であるのではないかということ。
などなど、まだ読み込んでいない事がたくさんあるけれど、丸山眞男さんの本はもうちょっと読んでみたい。

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