東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

「狩猟サバイバル」

2009-11-28 22:17:05 | 
本は「狩猟サバイバル」



「サバイバル登山家」で一躍有名になった服部文祥さんの新刊。
この前の地平線会議集会で本人から直接購入しました。

「サバイバル登山家」で、登山道具や食糧を極限まで切り詰め、自然と直接対峙するような登山を僕たちに提示し、衝撃を与えてくれた著者の新刊なので期待も高まります。

今回は、サバイバル登山の進化系。前著では釣りや採集(登山客からの採集も含む)だけだった「サバイバル」に、「銃を使った狩猟」という手段が加わりました。最低限のお米や調味料だけを持って山に長期入り、その間、鹿を狩って食糧にする、という「登山」です。

著者がこうした登山を始めたのは、「生きる」ということを実感したいから。かつてK2に登った時、現地のポーターをたくさん使った極地法に違和感を感じてから始まった「より良い登山とは」という登山実験の進化は、「どう生きるか」にまで発展しています。その過程をこうして読者として読むこともまたスリリングです。

ただ、著者は「登山」ということにこだわっていますが、ゴールとして「山頂を踏む」という行為にはたしょうの違和感を感じました。なんだか無理に山頂に登っているような気もします。山登りというより、すでに別の段階に来ているのかもしれません。

いつ来るとも知れぬ鹿を、単独でじっと待つ時間。その濃密な時間と、山頂に向かって歩んでいく時間の乖離を感じてしまいました。
でも全体としては、刺激的な好著です。

それにしても最近、狩猟関連の本が目立ちますね。時代の空気を感じます。登山という行為もこうした時代の流れと無関係ではないのですね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿