東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

身勝手な消費者

2011-03-27 22:14:27 | Weblog
昨日、スパーに買い物に行きました。
少しずつ落ち着きを取り戻してきていて、棚にはたくさんの食べ物が揃っています。
で、普段どおり買い物をしようとしたのですが、全ての野菜に「産地」が表示されていることに気がつきました。
熊本や高知などいつもはあまり見かけない西日本の産地のものが目立ちました。

最初は「やはり物流が混乱しているんだな」と迂闊にも思っていたのですが、すぐに「原発の影響なのか・・・。」と気がつきました。
で、たくさん並んでいる野菜の中に栃木や宮城の野菜を見つけて、その野菜を買うことを躊躇してしまっている自分がいました。

自分のそうした心持に、すごく戸惑いました。
「被災地を応援しなければ」なんて思っていながら、その被災地の野菜を買えないでいる・・・。

数年前、「六ヶ所村ラプソティー」という映画を観て、その中で紹介されている青森の農家の人からお米を買い続けています。
それは、六ヶ所村に再処理施設が建設された途端、彼女が真面目に作ってきたお米が「危なそうだから」という理由で都会の小売店や長年付き合いのあった消費者に全く売れなくなってしまった、というシーンが映画の中で紹介されていて、「なんて身勝手な消費者達だ」と怒りを覚えたからです。
そのお米は、すごく丹精こめて作られていて、本当に美味しいお米です。
そのお米を買うことで、自分が脱原発派の一員であり(実際には何もアクションを起こさなかったのに・・・)、原発で発電された電気を使うことへのエクスキューズにもなっていた気もします。

でも、今回は何故か栃木産の野菜を買うことが出来ませんでした。
まさに身勝手な消費者である自分がいました。
しょうじきショックです。

今日、またいろいろなサイトを見ていて、陸前高田への医療応援に赴いた看護婦さんのブログを見つけました。
こんな行動しか取れなかった自分が、なんだか恥ずかしくなってしまいます。
どんなTVでも伝えられない被災地のリアルがあります。ぜひお読み下さい。
被災地で活動した看護婦さんの記録

こちらの写真も伝わるものがあります。
ニューヨークタイムズの報道写真

でも、こうした不安感は、実は世界が「日本」に対して抱き始めているのかもしれません。
台湾では日本からの旅客者には放射線の検査が義務付けられるようになったとのこと。
これから同じような視線が、日本人、日本ブランドに対して注がれるようになると思います。
まさに入れ子構造です。
ブーメランはすぐに自分たちに帰ってきそうです。
そういった意味で、まだ混乱は始まったばかりなのかもしれません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿