東京ナイト

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文化湯@喜多方市

2011-04-18 07:31:56 | 銭湯
この週末は、また福島県喜多方市の酒蔵に行ってきました。
震災前から続いている仲間達とのお酒造りがいよいよ完成を迎えたので、今回は瓶詰めをして、オリジナルで作ったラベルを一本一本、貼っていく作業です。
全て終わった後は恒例の大宴会。
今年も美味しいお酒が出来上がった喜びを蔵の人たちと分かち合いました。

でも、ショックな事がひとつ。
喜多方にある銭湯「文化湯」さんが廃業されていました・・・。
ここは僕が最も愛する銭湯のひとつ。
これまで全国の銭湯を数百軒入ってきましたがベスト3に入る名湯です。

さりげない佇まい、古びてはいるけれど清潔な店内、会津若松のペンキ屋さんに描いてもらったという味のあるペンキ絵、おがくずで沸かしたやわらかいお湯・・・、良い点はいくつもあるのですが、何より特筆すべきは女将さんの人柄。

80歳になる女将さんはたった一人でこの銭湯を切り盛りされているのですが、その女将さんとの世間話を楽しみに常連のお客さんが何人も通ってきます。
ちゃんと長居が出来るようにテーブルが用意されていて、その上には飴やお菓子がたくさん置いてあります。
常連さんはここに座りながら、女将さんとの世間話をずーーーっと楽しんでいます。
男湯で着替えていると、そんな女将さんと常連さんの声が女湯側から聞こえてきます。
しょうじき東北の言葉は良く分からず、詳しい内容は理解できないのですが、やわらかい訛りと楽しそうな笑い声はまるで音楽のようで、本当に至福の時間でした。

僕にもいつも優しくしてくれ、これから宴会だと言う僕に、「この牛乳、飲んでいきなさい」とストーブで温めた瓶牛乳をくれたものでした。
僕も完成した日本酒を届けたりするととても喜んでくれたりして、何と言うかほのぼのとした交流が続いていました。

で、設備の老朽化をだましだまし修理しながら続けていた営業だったのですが、今回の地震でタンクが壊れてしまい、やむなく廃業を決めたそうです。
「あと1年は続けたかったなー」との事。
喜多方はほとんど揺れず、地震の被害は全く無かった、と聞いていたので、無事であって欲しいと願っていたのに本当に残念です。

でも、今までありがとう!

写真は女湯に描かれている富士山。


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