ヒトリシズカのつぶやき特論

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日本経済新聞紙の「ジャパンディスプレイ 5年で3000億円投資」を拝読しました

2015年04月26日 | 日記
 2015年4月25日に発行された日本経済新聞紙の朝刊の中面に掲載された「ジャパンディスプレイ 5年で3000億円投資 年間倍増、スマホ5億台分」という記事を拝読しました。

 中小型液晶パネルの生産量が世界第二位のジャパンディスプレイは、4月24日に現在取締役の有賀修二さんが社長・COO(最高執行責任者)に6月下旬に就任し、元三洋電機副社長だった本間充さんを会長・CEO(最高経営責任者)に招くと発表したところです。

 経営陣を一新する同社は、今後5年間に3000億円を投じて、中小型の高精細液晶パネルの生産量を年間5億台ベースと、現行の倍増規模にする事業戦略を明らかにした。
 
 日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版では、見出し「ジャパンディスプレイ 5年で3000億円投資 年間倍増」という記事を掲載しています。


 
 ジャパンディスプレイは、2012年4月に日立製作所とソニー、東芝の各中小型液晶パネル事業を統合して発足した。2012年から3年間に約3000億円を投入したが、この場合は土地や建物を含めた投資だった。これに対して、今回の今後5年間に3000億円を投資する中身は、既存の工場内の設備投資に振り向けると、記事は解説します。

同社の主力工場である茂原工場(千葉市茂原市)と2016年に稼働予定の石川県白山市の新工場の生産設備を更新し、第6世代の液晶パネル生産能力を高めます。この分野での新興勢力の台湾や中国の企業に対抗するためです。
 
 さらに、今後は中小型の高精細液晶パネルを自動車のインストルメントパネルの速度表示やカーナビゲーションの表示パネルなどの新用途に進出する計画だそうです。
 
 今回のジャパンディスプレイ 5年で3000億円投資を投資する計画は、日本にとってはなかなか微妙な話です。

 前日の4月24日の日本経済新聞紙の朝刊は見出し「シャープ、中小型液晶に1400億円投資」という記事を載せています。シャープの主力銀行であるみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行は4月23日に、経営再建中のシャープに対して、計2000億円の資本支援を内定したと伝えます。再建策の了承を得たシャープは中小型液晶パネル事業に力点を置く戦略を立てているそうです。

 中小型液晶パネル事業に力点を置いていたシャープは、最近は中国のスマーフォン事業を手がける企業に供給していました。ところが、最近はジャパンディスプレイが中国企業向けに力を入れ始め、日本企業2社は中小型液晶パネル市場で激しく争っているとみられています。

 この結果、ジャパンディスプレイとシャープがそれぞれに中小型液晶パネル事業で生産した中小型液晶パネル事業のコストダウン競争が激化するとの見方が出ています。下手をすると、日本企業同士が中国市場で中小型液晶パネルの安売りをする可能性も指摘されています。

 シャープが再建途上で事業赤字を増やした背景には、ジャパンディスプレイが中国市場で中小型液晶パネル事業のシェアを増やし、シャープが苦戦したことと推定されています。
 
 大手の日本企業同士が中国市場で値下げ競争を繰り広げる事態は避けたいものです。2社が激しくぶつかり合いながら、ライバルとなる台湾と中国の企業を引き離すことを願っています。