人気作家の宮部みゆきさんの新作「ペテロの葬列」を読み始めました。この単行本は集英社が2013年12月20日に発行したもので、約半年間も寝かせていたものです。
ごくその辺にいそうな普通の人がどんな風に感じて行動しているのかを書かせたら“名人”の宮部さんの新作を読まなければと思いながら、そのままになっていました。WebサイトのAmazonサイトでの新作「ペテロの葬列」の「カスタマーレビュー」を読むと、「読後感がよくない」などのコメントが寄せられているなどのことから、何となくそのままになっていました。

実は、Amazonサイトの「カスタマーレビュー」はふだんはあまり読みません。今回、「カスタマーレビュー」を気にした理由は、新作「ペテロの葬列」の主人公は杉本三郎というビジネスマンで、この“杉本三郎”シリーズの第三弾に当たるものだからです。
同シリーズ第二弾の単行本「名もなき毒」は、この「カスタマーレビュー」では「後味がよくない」「結末が納得できない」などの読後感が多かったとの記憶があります。

単行本「名もなき毒」は2007年に吉川英治文学賞を受賞するなどと玄人筋には優れた作品と評価されながら、宮部さんの熱烈なファンには本は売れたが、受けはよくなかったという記憶があったからです(実は、この第二弾の単行本「名もなき毒」を発行直後に購入しながらまだ読んでいないという個人的な経緯もあります。どこに仕舞ってあるのかも不明です)。
こうした経緯から、新作「ペテロの葬列」に対して、宮部さんのファン(?)が「カスタマーレビュー」に何を書き込んでいるのかを知るために、つい読んでしまいました。
前説が長くなりました。以下は単行本「ペテロの葬列」の中身です。ミステリーのネタばらしが含まれています。この点を留意して、以下をお読み下さい。
主人公の杉本三郎は超大手企業の創業者会長の娘さんと結婚した夫です。この娘さんは、奥さん以外の女性に産ませた子供でした。会長は自分の自宅の隣りに杉本夫妻を住まわせ、自分の会社に杉本三郎を勤めさせています。なかなか微妙な設定です。
主人公の杉本三郎はある日、関東近郊での仕事帰りに、バスジャック事件に巻き込まれ、その被害者の一人になります。バスジャックした犯人の初老の男は不思議な要求・声明を警察などのバスの外にいる者に伝え、結局、自殺します。
その後、いろいろな経緯があり、主人公の杉田は犯人の初老の男がなぜ、バスジャックをしたのかを探る運命に陥ります。
その過程で「弱い者は強い者の食い物にされるしかない」「騙される奴の方がバカなんだ」という詐欺事件が背景にあることが次第に明らかになります。被害者が加害者になって、次の被害者を生んでいくという構図が地獄になっている事実を知ります。“ネズミ講”詐欺事件につい巻き込まれた人々の運命が描かれています。本書の最後に宮部さんは、実際の巨悪詐欺事件だった豊田商事事件の報告書を参考にしたと書いています。
この単行本「ペテロの葬列」はページ数が約680ページです。いつもだと、数日間で読んでしまう分量ですが、今回は半分を過ぎたあたりから、読むペースが落ちています。考えこんでしまうエピソードが多いからです。
このことは宮部みゆきさんの作品「楽園」「小暮写真館」でも味わったことです。文章の意味を考えながら読み進むので、読み終わるのはかなり先かもしれません(実は、別の新刊の小説を読み始めたいとの迷いが生じています)。
ごくその辺にいそうな普通の人がどんな風に感じて行動しているのかを書かせたら“名人”の宮部さんの新作を読まなければと思いながら、そのままになっていました。WebサイトのAmazonサイトでの新作「ペテロの葬列」の「カスタマーレビュー」を読むと、「読後感がよくない」などのコメントが寄せられているなどのことから、何となくそのままになっていました。

実は、Amazonサイトの「カスタマーレビュー」はふだんはあまり読みません。今回、「カスタマーレビュー」を気にした理由は、新作「ペテロの葬列」の主人公は杉本三郎というビジネスマンで、この“杉本三郎”シリーズの第三弾に当たるものだからです。
同シリーズ第二弾の単行本「名もなき毒」は、この「カスタマーレビュー」では「後味がよくない」「結末が納得できない」などの読後感が多かったとの記憶があります。

単行本「名もなき毒」は2007年に吉川英治文学賞を受賞するなどと玄人筋には優れた作品と評価されながら、宮部さんの熱烈なファンには本は売れたが、受けはよくなかったという記憶があったからです(実は、この第二弾の単行本「名もなき毒」を発行直後に購入しながらまだ読んでいないという個人的な経緯もあります。どこに仕舞ってあるのかも不明です)。
こうした経緯から、新作「ペテロの葬列」に対して、宮部さんのファン(?)が「カスタマーレビュー」に何を書き込んでいるのかを知るために、つい読んでしまいました。
前説が長くなりました。以下は単行本「ペテロの葬列」の中身です。ミステリーのネタばらしが含まれています。この点を留意して、以下をお読み下さい。
主人公の杉本三郎は超大手企業の創業者会長の娘さんと結婚した夫です。この娘さんは、奥さん以外の女性に産ませた子供でした。会長は自分の自宅の隣りに杉本夫妻を住まわせ、自分の会社に杉本三郎を勤めさせています。なかなか微妙な設定です。
主人公の杉本三郎はある日、関東近郊での仕事帰りに、バスジャック事件に巻き込まれ、その被害者の一人になります。バスジャックした犯人の初老の男は不思議な要求・声明を警察などのバスの外にいる者に伝え、結局、自殺します。
その後、いろいろな経緯があり、主人公の杉田は犯人の初老の男がなぜ、バスジャックをしたのかを探る運命に陥ります。
その過程で「弱い者は強い者の食い物にされるしかない」「騙される奴の方がバカなんだ」という詐欺事件が背景にあることが次第に明らかになります。被害者が加害者になって、次の被害者を生んでいくという構図が地獄になっている事実を知ります。“ネズミ講”詐欺事件につい巻き込まれた人々の運命が描かれています。本書の最後に宮部さんは、実際の巨悪詐欺事件だった豊田商事事件の報告書を参考にしたと書いています。
この単行本「ペテロの葬列」はページ数が約680ページです。いつもだと、数日間で読んでしまう分量ですが、今回は半分を過ぎたあたりから、読むペースが落ちています。考えこんでしまうエピソードが多いからです。
このことは宮部みゆきさんの作品「楽園」「小暮写真館」でも味わったことです。文章の意味を考えながら読み進むので、読み終わるのはかなり先かもしれません(実は、別の新刊の小説を読み始めたいとの迷いが生じています)。