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ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

イノベーション・ジャパン2012では、さまざまな研究成果が展示されていました

2012年09月28日 | イノベーション
 東京都千代田区有楽町の東京国際フォーラムで9月27日から28日までの2日間にわたって、大学見本市のイノベーション・ジャパン2012が開催された話の続きです。

 大学や工業高等専門学校などの研究成果300件を展示し、企業や個人などに技術移転する技術シーズを示しました。



 現在、日本ではライフイノべーションの一環として、医療機器の研究開発が盛んになっています。イノベーション・ジャパン2012でも多数の研究成果やその試作品が展示されました。

 その一つが北九州工業高等専門学校が開発した、ロボット技術を利用した注射薬の自動仕分け装置です。多種多様な注射薬を、画像処理技術で正確に分類し、整理するシステムです。



 まずCCD(電荷結合素子)カメラで対象物を測定し、その位置や姿勢を測定し、貼ってあるバーコードを読み取って正確に、その注射薬の種類を判断します。その測定結果を基に、水平多関節ロボットの手が対象物の注射薬をつかんで、分類に従って所定の場所に置きます。



 病院などでは、医者が患者の溶体に合わせて、注射薬を選んで治療しようと準備している内に、患者の溶体が変わって治療法が変わることがあり、使いかけた注射薬を約30%は使わずに戻すそうです。

 この使いかけた未使用の注射薬を元に戻す作業は、薬剤師にとってはかなり大変な作業であるため、これをロボットに代行させるシステムを開発したそうです。開発されたシステムは、セントラルユニ(東京都千代田区)が製品化し、2010年2月に病院に第一号製品が納品されたそうです。日本が得意とするロボット技術と画像処理を組み合わせた医療向けの製品です。

 独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は自律型の海底無人探査機「ゆめいるか」を展示していました。



 日本周辺の海底には、メタンハイドレートやレアメタル(希少金属)などの資源があると考えられています。この海底無人探査機は姿勢を水平に保ちながら、合成開口ソナーによって、海底の地形を高精度で測定できるそうです。

 将来、製品に採用されると、それなりの製品・サービスになりそうな研究開発成果が並んでいました。ただし、自分の研究開発成果を、専門用語をあまり使わずに、分かりやすく説明する科学技術コミュニケーション能力が高い説明員は相変わらず少なかったです。