気ままに

大船での気ままな生活日誌

円覚寺で栗山英樹さんの講演を聴く

2024-05-31 21:36:30 | Weblog

こんばんわ。

雨の降りしきる中、円覚寺の夏季講習講座に出掛けた。コロナ以前はよく参加したものだが、今回は久しぶりの聴講となった、なにせ、2023年WBC日本代表監督の栗山英樹さんの講演があるというので早々と予約を入れておいたのだ。荒天にもかかわらず、広い大方丈は満席。人気のほどが知れる。

”現代におけるリーダー像”というテーマだが、栗山さん、開口一番、みなさん、固い話よりWBCの話を聞きたくて来られたのでしょう、とぼくらの心を見透かす(笑)。

この講演の前に円覚寺の横田管長の法話があり、そのときにこんな話をされた。栗山さんとは先週、自分が総長をしている京都の花園大学で対談をしたことを明かし、そのとき、栗山さんの”人を信じて、信じて、信じ抜く”という言葉に感銘を受けたという。禅宗にも通じることなのだろう。また、WBC制覇で帰ってからみなさんから褒められつづけ、こうして人間は駄目になってゆくのだろうなと思った、と言われたのにも驚いたそうだ。”有名無力”という言葉もあるように、有名になると有頂天になり研鑽を怠るようになる。これをすでに意識しているところがすごいという。

さて、栗山さんの話。世界一の景色を見るために何をすべきか、強いチームはベンチに居る選手も一丸となって戦っている。この姿勢をつくらなければならない。全員が、おれが日本代表だという意識を強くもってもらいたい。選手選考のときも直筆の手紙で、あなたが全日本チームに是非必要だと、所属チームの監督を通してではなく、直接、選手個人宛に送った。

”ダルビッシュジャパン”といわれるほど、ダルはチームをまとめるに大きな貢献をしたようだ。大リーガーとして一人早々と日本チームに入り、自分のことはさておいて、選手たちに技術的な指導や大リーガーの情報を与えたり、飲み会を計画したりと、こんなにありがたいことはなかったと、栗山さん。

ヌートバー採用の話、ショート源田の小指の骨折で選手交代も考えたが、絶対このチームを離れたくないと監督に懇願したその心意気に負けた話。ぼくらもドキュメンタリー映画で知っているエピソードが次々出てくる。

準決勝のメキシコ戦は負け試合だった。九回裏、1点差。まず、三番、大谷がヘルメットをとばし激走する右中間二塁打。四番、吉田が四球で塁を埋める。そして五番、村上に命運が託された。期待の若きホームランバッターは調子が上がらない。当初、バントの名手の代打も考えていたが、この場面で、代打の選手はどれほど緊張するだろう、それより、村上でいこうと、おまえに任せたと指令を送る。まさに”お前を信じた”。それが当たった。強打!走者二人を返す逆転の二塁打!決勝進出!

そして、最後はやっぱり大谷翔平。てっきりトラウトとの決戦の場面のお話しかと思ったが、栗山さんが米国との決勝戦で一番、感動したのは、7回裏の大谷の内野安打だという。3対1で米国をリードして、8回はダル、9回は大谷に任してある。ここは無理して累に出る必要はない。クローザーとしての仕事を残しているのでむしろ塁に出ないで、ブルペンで投球練習をした方がいいに決まっている。ところが、内野ゴロをなんと激走して安打にしてしまった。大谷はどんなときでも、最高の力を出し切る、その姿に感動したというのだ。

そして、世界中の野球ファンが感動したクローザー大谷対エンゼルス同僚トラウト。8回にダルが打たれ、3対2になっていた。大谷が前の打者をダブルプレーに打ち取り、メジャーを代表するスーパースター同士の対決となる。誰もが夢見たが、こん劇的な形で対戦するとは。まるで小説みたい。そして、トラウトを160キロ直球で追い込み、スイープと呼ばれるスライダーで空振り三振で仕留める!大谷が試合を締めくくり、日本の優勝が決まる!野球の神様が演出したとしか考えられないフィナーレであった。

先のWBCの熱戦を思い起こさせる素晴らしい講演だった。どうもありがとうございます、栗山英樹さん。

特集ワイド:栗山英樹監督が語るWBCと愛弟子 翔平の物語は続く ...

講演会場となった大方丈

講演がおわり、外に出ると、雨が上がっていた。イワタバコが見頃になっていた。

では、おやすみなさい。

いい夢を。

紫陽花は色づきはじめていた。

コメント (6)
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