気ままに

大船での気ままな生活日誌

復刻開館記念展 出光美術館

2024-05-27 20:42:07 | Weblog

こんばんわ。

丸の内の帝劇ビル内の出光美術館は、同ビルの建替計画にともない、令和6年(2024)12月をもって、しばらくの間、休館に入る。そこで、この一年はリニュアルまでの”さよなら展覧会”として”出光美術館の軌跡・ここから、さきへ”展が4期にわたり開催されている。次のような内容である。

1期(4・23~5・19) 復刻 開館記念展—仙厓・古唐津・中国陶磁・オリエント
2期(6・1~7・7) 出光佐三、美の交感—波山・放菴・ルオー
3期(7・20-8・25) 日本・東洋陶磁の精華—コレクションの深まり
4期(9・7~10・20) 物、ものを呼ぶ—伴大納言絵巻から若冲へ

出光ファンとしては、どれも見たいが、とくに1期の仙厓、古唐津と4期の伴大納言絵巻と若冲(プライスコレクション)は外すわけにはいかない。すでに1期は終了しているが、早々に見ている。

1期は”復刻 開館記念展”と銘打っていて、58年前の開館記念展の出品作品と展示構成を意識しながら企画されたもの。開館記念にはまさに出光佐三コレクションのエッセンスともいうべき作品が並んだ。今回も仙厓の書画、古唐津、中国の陶磁や青銅器、オリエントの美術の代表的な作品が展示された。写真撮影は禁止なので、会場風景の雰囲気をお見せできないが、それぞれの分野の作品をちらしやマイコレクションの中から拾い出し、記録しておこう。

第1章 古唐津

「一楽、二萩、三唐津」と茶陶を代表するひとつ、古唐津。飾り気のない野武士のように素朴な朝鮮風焼き物として人気が高い。出光佐三もこの魅力に惹かれ、300点を越える作品を蒐集している。本展でも重文2点を含む30点ほどが展示されている。

絵唐津丸十文茶碗 唐津 日本 桃山時代

重文・絵唐津柿文三耳壺(水指)唐津 日本 桃山時代

ほかに重文・絵唐津葦文壺(水指)も。

第二章 仙厓

”博多の仙厓さん”の愛称で親しまれている聖福寺の住持・仙厓(1750-1837)のほのぼのした禅画はぼくも大好き。博多のお寺まで訪ねたことがあった。「厓画無法」(仙厓の絵には法則がないこと)を宣言した仙厓さんの作品は自由気ままな筆致で描かれているが、その中に禅の教えが込められている。出光美術館では何度も”仙厓展”が開催されている。直近では22年10月に”仙厓のすべて”展を楽しんでいる。

指月布袋画賛 仙厓 日本 江戸時代 ”ヲ月様幾つ十三、七ツ”の賛があるがお月様の姿が見えない。指先の指し示すものを見ても何も見えない。求めるべきものは指のはるか向こうの月そのものだからだ。指(経典)をいくらたどっても、月に象徴される悟りの核心は手に入らない。修行こそ大事だと、教えている、そうだ。

◯△□ 賛がないため難解至極といわれている。さて、みなさんはどう解釈しますか。

堪忍柳画賛 仙厓 日本 江戸時代 吹きつける風の中には耐え難い風もあるだろうが、柳はいずれの風をもさらりと受け流してやり過ごす。「堪忍」でごわす。

約20点ほどの仙厓書画が展示されている。前述の22年”仙厓のすべて展”では100点近く展示されたので、コレクション総数は倍近くあるのでは。

第三章 中国陶磁

出光佐三は1910年代後半頃に大連で中国陶磁の穏やかな美に癒され、その後、北京や天津の骨董屋で中国陶磁を求めている。これに加え、近代以降に注目されるようになった唐三彩、鈞窯景徳鎮官窯の青花など、様々な時代、産地のやきものも蒐集した。ここでは25点ほど展示されている。

重文・青磁下蕪瓶 南宋官窯 南宋時代

重美・金襴手孔雀文仙盞瓶 景徳鎮窯 中国 明・嘉靖「冨貴佳器」銘

第四章 オリエント

エジプトやメソポタミア文明の発祥地として知られるオリエントの地域から豪華な金銀器や色鮮やかなガラス器、装飾性豊かな陶磁器など見事な美術工芸品が蒐集されている。ここではイランのものを中心に15点ほど。

色絵人物文花口瓶 イラン 12‒13 世紀 

ラスター彩人物文鳥首水注 イラン 12‒13 世紀

第五章 青銅器

青銅器の蒐集といえば根津美術館だが、ここでも、たくさん蒐集しているようだ。商(殷)・周時代のものだが、出光佐三は中国美術の源流が青銅器にあるとし、蒐集し鑑賞した。

饕餮文兕觥 中国 西周時代

重美・饕餮文斝 中国 商(殷)時代後期

たくさんの名品で、目の保養をさせていただいた。また仙厓さんの書画では禅を楽しませてもらった。また2期も出掛けてみたくなった。

9階美術館ロビーから皇居外苑をのぞむ。新美術館でもこの眺めを残してほしい。

鎌倉花散歩 

建長寺のイワタバコも見頃です。

では、おやすみなさい。

いい夢を。

布袋画賛(仙厓)

コメント (9)
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