マイコー雑記

行き来するもの書き留め場

「自己肯定感」と「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」との比較研究紹介

2016年05月25日 | 自分への思いやり(セルフコンパッション)

「自己肯定感」と「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」との比較研究です.

 

カリフォルニア大学バークレイ校の心理学者Juliana Breines氏と Serena Chen氏は、

まずは被験者をふたつのグループに分けたといいます。

 

そして、それぞれのグループに、

失敗や弱みに対し異なる姿勢で向き合うよう伝えます。

グループ1:「自己肯定感」を高める姿勢

グループ2:「自己への思いやり(セルフ・コンパッション)」を込めた姿勢

 

1のグループは、失敗や弱み

を前に、

自らのポジティブ面を盛り上げ、

「自分はいい!自分にならできる!」といった気持ちを高めていく、

2のグループは、失敗や弱みを前に、

思いやりを込めた言葉や態度を向けるようにする、

というわけですね。

 

すると、

2の「思いやりを向けたグループ」の方が、

1の「自己肯定感を高めようとしたグループ」よりも、

失敗や弱みを「改善できる」ととらえ、

同じ過ちを繰り返さないぞ!といった「やる気」に溢れていたとのこと。

 

 

またこうした「やる気」は、パフォーマンス自体を高めるとも報告されています。

ある研究では、

一度目のテストに失敗した被験者を、二度目のテストに取り組む前に、

自らの失敗に対し、

1.「自己肯定感を高めるよう働きかけたグループ」と、

2.「自己への思いやりを向けるよう働きかけたグループ」

に分けて調べたところ、

1の「自己への思いやり」を向けるよう伝えたグループの方が、

2のグループよりも、25パーセント長く勉強し、テスト結果もより高かったとのこと。

 

 

 

なぜ「自己への思いやり」はこれほどパワフルなのでしょう?

ハーバード・ビジネス・レビューのこの記事によると、

それは、「『評価』とは関係がないから」とのこと。

 

自己肯定感を高めるためには、

「自分はいい!自分はできる!」といった「評価」を必要とするけれど、

「自己への思いやり」には、その必要がないというんですね。

 

そこで、

「自分!自分!といった『エゴ』が効率的に視界の外に出ることにより

欠陥や弱点に向き合うことを可能にするんです。

そうして、現実的な自分の能力や行動をとらえることができ、

次回どう違ったようにすればいいかと認識することが可能になります」

とのこと。

 

肯定感を高めるために、

「自分はいい!できる!」といった「評価」を常に求めてしまうことが、

目の前の問題にフェアに向き合うことを妨げ、

改善へと繋がらないということですね。

 

確かに、目先の「評価」に頓着する必要もなく、

失敗しても困難にぶつかっても、温かいサポート(コンパッション)があるとするなら、

自らの好奇心や興味をこつこつと存分に深めていけるのかもしれません。 

そしてそれが、パフォーマンスの高さにも繋がるんでしょうね。

 

「自己肯定感」と「自己への思いやり」については、

後ほど、今月初めに『The Atlantic』に掲載された最新の情報も、

まとめていきたいと思います!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。