「感情や思考に名前をつけるといいですよ」
そんなアドバイスを聞いたのは、
3年前、8週間の「マインドフルネス・ストレス低減プログラム」に参加していた時のことでした。
「これは、喜び、悲しみ、不安、おそれ、嬉しさ、計画、予定、アイデア・・・、
内面に行き来するものに、そうラベルを貼るようにするんです」と講師の方。
それまで子どもの「強烈な感情」についてのアドバイスとなると、
「感情を言葉で表すのを励まし習慣づけてやりましょう」
というものを必ず目にしたり耳にしたりしていたので、
「同じようなコンセプトだなあ」と思っていました。
脳の仕組みからみる「感情を言葉で表す」
そんな中、
これまでこちらのブログで何度も取りあげてきている
精神科医のダン・シーゲル氏の提案する
「マインドサイト」というコンセプトに出合いました。
米国でベストセラーとなった育児本でも紹介されているのですが、
(『No Drama Discipline』by Daniel J. Siegel, M.D. and Tina Payne Bryson, Ph.D
『The Whole-Brain Child: 12 Revolutionary Strategies to Nurture Your Child’s Developing Mind』
by Daniel J. Siegel, M.D. and Tina Payne Bryson, Ph.D)
「マインドサイト」とは、簡単に言ってしまうと:
自分を知り(何を感じ考え覚えているのか?)、
他者を理解しようとし、
自分と周りにとって現実的な着地点を見出すといったコンセプトです。
このシーゲル氏の説明を読む中で、
「感情を言葉で表す」ということがどういうことなのか、
なるほどなあとスッキリ理解でき、
以前より用いることもできるようになりました。
「Name it to tame it(手なづけるために名づける)」というタイトルのこちらのクリップ
でも分かりやすく説明されていますが、
感情を言葉にするとは、「脳の仕組み的」には、
強烈な感情を司る「階下(大脳辺縁系)」を、
「階上(大脳皮質部分)」につなげていくということなんですね。
もやもやとしていた感情を「言葉」にすることで、
より全体像を眺めることのできる「階上(大脳皮質部分)」が活性化するというわけです。
(参照:脳全体に働きかけるイメージで子育て!脳の仕組みを分かるなら対応もより分かる
「大脳辺縁系」情動や衝動や反射などより原始的機能を司る扁桃体などを含む
「大脳皮質部分」思考や想像などより複雑な機能を司る前頭野を含む)
子どもとの対応で具体的にどう生かす?
具体的な子どもへの接し方としては、
著書『No Drama Discipline』と上で紹介したクリップにてシーゲル氏曰く、
「子どもの感情を言葉にしてやったり、
言葉にするのを手伝ってやるといいですよ」とのこと。
例えば、普段、
「〇〇ちゃんがあなたの人形を取り上げたとき、
あなた悲しそうだったわね」
「あなた、〇〇(弟)がせがむにつれイライラしているように見えたわね。」
「うん、〇〇(弟)が、~すると怒れてくるんだよ」
などなど、感情を言葉で表すようにしてみます。
そこから、
では、自分の行動が相手にどういう感情を与えるのだろう?と想うこともできるようになっていくとのこと。
自分の感情を知るからこそ、
相手の感情も理解できるようになるわけです。
また「強い感情爆発!」の際は、
まずは「コネクト」し、温もりで包みこみ、
ひとまず落ち着いてから、〇〇ちゃんが、こうしてたのね、ああしてたのねと話しを聞き、
「ああ、そういうことなのね、
あなたは明日友達が誰も一緒にランチを食べてくれないんじゃないかと不安なのね」
と言葉で表すようにします。
そこから落ち着いて、
周りとの関係の中で、現実的にどうしたらいいかも考えていけるようになります、と。
確かにこうして普段から、感情を言葉にして認め・認められとしていると、
ひとつの感情にがんじがらめになるより、
感情が相対化され、次へと移りやすくなりますよね。
親は子供が悲しかったり怒っていたりというネガティブな感情に向き合うのが、
時に痛過ぎて、なるべく見たくも聞きたくもないともなります。
特にHSP系の親だと、相手の感情も強烈に迫り、激しく心乱されることもあるかもしれません。
それでも、感情とは一時のもの。
感情という天気はころころと移り変りますが、
その上には必ず、常に晴れ渡った空がある、そう思い出していきたいです。
感情をため込むより、表に出し、認められ、流していける、
そんな環境を整えてやりたいですね。
みなさん、今週も良い日々を!
Tomoeさんが学んだ「お互いの信頼関係を築く」方法を教えてくださってありがとうございます!
「バックトラッキング:うなづいたり、相手の言ったことをそのまま返す
ミラーリング:相手のしぐさをそのまま真似をする
ペーシング:相手のペースを感じてできるだけ相手のペースに合わせる」
こうして「具体的な動作」として示されると、わかり易いですね。まずは行為として取り入れることで、変わっていくことって確かにあります。
心理学の先生がおっしゃっていたという「切れているときというのは実は怖いのだ」ということ、なるほどなあと思います。
強烈な怖さを感じている時には、やはり「コネクト」して大好きなママやパパのぬくもりで包み込まれることで、やはり最も落ち着きますよね。相手のきれた様子に、ついつい「どかん!」とこちらも怒りをぶつけてしまうこともあるわけですが、「あ、この子は怖がっているんだ」と思うとき、それがいかに的外れかがよく見えますね。
Tomoeさん、ありがとう!嵐のような日常に、少しずつ行為を刻んで生きますね。Tomoeさんの一歩一歩も応援してます!
以前、私の心理学の先生は「キレる人が切れている時に本当に感じているのは『怖い』で怖すぎてキレてしまうんだ」ということをおっしゃっていて、この記事を読みながらそのことを思い出していました。
普段からラポールをかけて信頼関係を築き、いざという時は思いっきり『コネクト』して、怖さや怒りや悲しみを一緒に味わう。
ネガティヴな感情を分かち合うことで半減できたら。
そんな人がそばにいて、徐々に感情に慣れていけば、いつか別の表現方法で自由に感情を感じていけるのではないか。
そんなことを考えていました。
言葉足らずですみません。
今日も良い1日を!
本当にそうですね。
時として受け入れるのが難しい時もあるけれど、なるべく自由に感情を感じられるように、強烈な感情にも徐々に慣れることができるように日々サポートしていきたいです。
NLPで習った、ラポール(お互いの信頼関係を築く)をかける方法が割と簡単で役に立つので書いてみます。コネクトと共通するかな、と思いました。
バックトラッキング:うなづいたり、相手の言ったことをそのまま返す
ミラーリング:相手のしぐさをそのまま真似をする
ペーシング:相手のペースを感じてできるだけ相手のペースに合わせる
マイコーさんの活動応援しています!
私も自分のできることをしていきます。