親の不安感が、子供に与える影響についての研究は、
過去、そして最近も、いくつか発表されています。
他の子より7倍の確率で不安感の問題を持つともいわれます。
元々「強い不安感を引き起こしやすい遺伝子」があるとされるわけですが、
それでも「遺伝」だけではなく、
「育つ環境」が大きく関わるともいわれます。
一卵性&二卵性の双子の大人から構成される900の子持ち家族を、
調査したそうです。
もし遺伝が不安感の度合いを決定するというならば、
親が双子の子供同士というのは、
同じ遺伝子を同じだけ共有するわけですから、
同じ度合いの不安感を持つはずだろうというわけです。
ところが、親が双子の子供たちを調べたところ、
異なる家族の双子の親よりも、
育てられる両親のもつ傾向をより受けついでいたとのこと。
この研究を率いたThalia Eley氏曰く、
「家族に受け継がれる共通性というのは、
共に生活しているということに大きく依るんです」
とのこと。
つまり、
子供や青年は親の不安感の表れる行動に身近に接し、
モデリングなどの方法を通し、
同じような不安感を学んでいくというわけです。
また「モデリング」などで学ぶ他にも、
親自らの不安感、もしくは子供の不安感が親の不安感を増長させ、
子供を不必要に守ってしまい、
不安感の問題を長続きさせてしまうこともあるといいます。
不安に感じることを避けてばかりでは、
その子がその状況に対処するスキルを培う機会を、
失い続けているようなものですからね。
自らの不安感に気づき、
できるだけ子供に影響を与えないようにすること。
これは、私自身、子供に接する中で、
大切だと気づいたことのひとつです。
もともと私自身子供時代から不安感が強く、
過去夜な夜なの「パニックアタック」から回復したといった経緯を持ち、
実父も精神を患ったことがありますから、
もうこの「不安感」というのは、
家系的なものなのだと私自身はとらえています。
ですから、
上のような「遺伝よりも環境が大切」というような研究結果は、
私にとっては、実は「やったー!」といった
「朗報」でもあるんです。
環境を整えることで、
「鎖」を断ち切ることができるわけですから。
子供たちを育てていてつくづく思うんですが、
まずは「ふり」でいいんです。
子供たちの前では、
不安感をなるべく表さないようにしていきます。
深呼吸して、できるだけ穏やかなトーンで、落ち着いて振舞うようにする。
顔にはなるべく、笑みを浮かべて。
こうして「ふり」をしているだけでも、
実際結構落ち着いていったりするものです。
そう心がけつつ、
たんたんと、自身の不安感に向き合うようにしていきます。
私自身、実際にセラピーなどを受けたことはないのですが、
マインドフルネスの実践や、ちまたに出回っている認知行動療法や曝露療法など、
自分でこつこつと試すうちに、少しずつ、
不安感というものに呑み込まれることがなくなっていきました。
不安感がなくなったわけではありません、
それでもその存在を認めつつ、
その感覚を、温もりや躍動感といったよりポジティブな感覚へと、
より導くことができるようになったということです。
子供が回復したという研究もあります。
これはもう、私自身、しみじみと実感できます。
もし、興味がある方は、不安感に詳しい心理士さんなど、
専門家の力を借りるのも手です。
Eley氏曰く、
「子供に年齢や不安感のレベルにあった
適切なチャレンジやタスクに取り組む機会を与えてください。
こうした状況にも対処できるんだ!
と学ぶ機会をもたせてやってください」とのこと。
こちらの記事にもありますが、
現代の子育ては『過保護』がスタンダードになりつつあります。
自らの不安感に気づき、
少しずつでも改善のためにできることをしつつ(必ず改善します)、
子供たちがのびのびと羽ばたいていくサポートをしていきたいですね。
みなさん、今日もよい日を!
*Thalia Eley氏の言葉は、以下の記事からの引用です:
http://qz.com/403299/study-kids-who-grow-up-with-anxious-parents-take-on-their-anxiety/