昨日は ハイリーセンシティブな子は自己肯定感を低めてしまいがちなのだけれど、それはなぜ?について書いたのですが、
その続きです。
「自己肯定感」ってなぜ大切なの?
以前「心の傷も身体の傷のように手当てする、覚えておきたい7つのヒント」で紹介したんですが、例えば心理学者Guy Winch氏は、「自己肯定感」とは、「心理的な傷をはね返し心の痛みへの耐性を強める『免疫力』」のようなものと言います。
「免疫力」が高ければ、少々風邪菌に囲まれてもへっちゃらなもの。同じように、「自己肯定感」が安定しているのなら、少々逆境や失敗に合っても、「何とかできる!」と跳ね返し進み続けることができるというんですね。
Winch氏や多くの心理学者が言うように、もし「自己肯定感」が「免疫力」のようなものだとするなら、常に「自己肯定感」がぐらぐらしてしまいやすい子というのは、身体でいうならすぐに風邪をひいたり寝込んでしまったりする病気がちな子ということになりますでしょうか。とにかく少しのことでもすぐに萎え、落ち込んでしまう。生きづらいですよね。
ということで、自己肯定感が低くなりがちという「HSC(ハイリーセンシティブチャイルド)]がヘルシーな自己肯定感を持ち、生き生きと進んでいくために、どんなサポートができるのか、『Highly Sensitive Child』by エレイン・アーロン氏の「自己肯定感をどう高めるか」より。
自己肯定感が低くなりがちな子の「自己肯定感」を高めるには?
1.自分自身を見てみましょう
「HSCは、細かなところまで感じ取ることができます。自分自身についてや子供に対して悪く思っているのならば、感じるとることができます。言葉だけでなく、微妙な表情や声のトーンや仕草などからも」とアロン氏。
「こんな繊細でこの先この子は不幸な大人になるんじゃないかしら」といった不安や、もし自身が繊細なところがあるのならば、自身の繊細さへの否定感も感じ取ることができますと。「もし、繊細さに対して、自らネガティブにしかとらえられていないようならば、その見方を変えるようにしましょう」と。
「こんな繊細じゃだめ」とばかり思ってその子に向き合っていたら、確かにその子は自分を否定されていると感じ続けることになりますよね。
私自身、過去、どうでもいいことまで感じ過ぎてはまりこみきつい思いをしてきたこともあり、だからこそ、この子を同じ目に合わせたくないなあと思うわけですが、「繊細さのいい面をみてその子に接する」というのは、ちょっとはっとさせられました。
あと、私自身の「不安感」が如実に影響を与える、というのもひしひしと感じています。私自身、物心ついたころから、「不安感の塊」のようでしたから、自らの不安感に向き合う大切さを、子育てを通し痛感してきました。
以前に比べ、自分でも別人かと思うぐらいに、今では楽になっているのですが、だからといって、不安感が無くなったわけではないんです、アロン氏の言うように、心の闇というのは、「見張っていることができます。後ろからこっそり忍び寄らせるのではなく、表玄関でノックさせておくんです。」
これは本当に、まさしくです。呑み込まれず、うまく付き合っていく術を身に着ける。自らそうしたスキルを磨くにつれ、子供達もより安定してきたと感じています。今は、私自身が通ったように、もし子供達が将来的に問題を抱えた時に、自ら改善していける具体的スキルを伝えられたらなと思っています。
2.言葉でも「繊細さのポジティブ面」を伝える
繊細さを認める言葉がけをしてやる。その繊細さが持つ思慮深さ、観察力、意識、創造性、直観力、慈悲心などをポジティブなものとして言葉にしてやりましょうと。
例えば、アロン氏曰く、動物園から帰りぐったりしている子に、「動物園にあるものすべてに気づいていたものね!」と声をかけてやる。このとき、「あなたは私の小さなシャーロックホームズね。どこへいってもいつも気づいているのよね」とは言ってしまわないようにと。「常にそうであることを期待している」とは思わせないためにとのこと。
3.共に過ごす時を持つ
一対一の時ですね。耳を傾け、その子のペースに合わせ、ただ、共にいる時。こうした時というのは、「様々な種類の傷を癒します。最近正されたことや恥をかかされたことなど」というのに、心から同感します。一日30分が無理ならば、料理しながら、掃除しながら、ドライブしながらでもと。一緒にいたい一緒に過ごすことが楽しいと示すことこそ、「あなたが大好き」と伝える最高の方法。
4.尊重する
その子の感情、ニーズ、意見、好み、決断を尊重する。理不尽だったりとても許容できないことでも、頭ごなしに踏みつけないようにする。例えば、アロン氏曰く、「クッキーを焼きたいというのはとてもいいアイデアだけれど、夜の10時だし、ママは明日6時に起きないといけないからもう寝ないといけないのだけれど、あなたがキッチンで音をたてていたら寝つかれないわ」などと、違う視点を提示するなどして諭すと。
まあ、ばたばたしていると、こうもいかなかったり、子供もこうすんなりと聞かないことも多々あるわけですが、その子を基本的に一人の人として「尊重する」ということは心に留めておきたいですね。
5.HSCがHSCでない子とどう関わるかを助ける
我が家の子達皆、学校に入りたての頃など、傍若無人にはっきりと自己主張できる子達に引きずられ消耗するということが、よくありました。アロン氏の言うように、「私の番よ」「私はそれが欲しい」「やめて!」「今度は私のやり方でしましょう!」など、とにかくはっきり自分の意向を相手に伝える、ということ繰り返し学んできたようなところがあります。特に、アメリカ社会は日本よりも、他者と交わる際、こうした姿勢がより大切になるかもしれませんね。今では、HSCというくくりは当てはまらないかも・・・と見えもする子供達です。
アロン氏曰く、「HSCか、HSCでないかのどちらがいいとか悪いでなく、『違う』ということを教えましょう」と。
6.子供が弱さに言及するなら強さを思い出させる
失敗したり何かがうまくいかず落ち込むようならば、まずは「今日は二回もストライクになってそれはきついよね」などと感情を尊重してやり、それから、「でも、先週はホームラン打ったじゃない?」などと、できたことやできていることを思い出させてみるといいとのこと。
ネガティブばかりにはまりこむのでなく、ポジティブなこともあるのだと思いださせることで、バランスを取っていく。子供は「『単に慰めようとしてるんでしょ』とも思うかもしれませんが、もしそれが大げさだったり取って付けたりしたものでなく『適切』であるならば、納得するでしょう」とアロン氏。
こうしてみると、HSCかどうかに関わらず、覚えておきたいことも多いですね。
自己肯定感が低くなりがちな子達が、
軽やかにこの世界を駆け抜けていけますように!