ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその363-寝ても覚めても

2019年07月29日 | 邦画
分からぬ女ごころ

「女心と秋の空」言う言葉がある。
移りやすい女心を例えた言葉だ。
男と女の心の違いは、失恋したとき、男はずっと心を引きつづけるが、女はキッパリ心を割り切ると言う。
時に男は、そんな女心に翻弄され、惨めな思いをする。
本日紹介する映画は「寝ても覚めても」移り気な女心に翻弄される男の物語だ。
ストーリーを紹介しておこう。

大阪に住む朝子は、ある日行きずりで麦と言う男と恋に落ちる。
二人は交際を始めるのだが、麦はある日外出したまま戻ることはなかった。
傷心の朝子は、何もかも捨て、東京へと行く、
彼女はコーヒーショップに勤めるめることとなるが、ある日コーヒーの出前をおさめにいったとき、麦とそっくりな男と会う。
彼の名前は亮平、髪形こそ違うが、顔は麦とそっくりだ。
やがて二人は恋に落ち、その経過は順調のように見えたのだが........

朝子は麦の事を忘れ、亮平との恋に一途になる。
一方麦は、ひょんなことから人気モデルになり、世間に知られるようになっていた。
忘れたはずの「麦」しかし彼女の心には動揺が宿るようになる。
そして麦は、朝子の居所を突き止め、彼女に会いにやってくる。
一度は麦を追い返した朝子だったが、2度目に麦が会いにきたとき、まるで夢遊病者のように彼について行ってしまう。
それは朝子と亮平が、結婚の約束をした直後だった。

本当に女心は分からない。朝子が麦についてゆくシーンは、まるで朝子が催眠術にかけられたような状態で麦についていってしまう。
彼女の中でなにかが、復活したようだ。と、同時に彼女は麦を完全に忘れてはいなかったと言うことだろう。
実際このようなことがあるのだろうか。
あるとすれば、朝子は表面上亮平を愛したように思いこみ、心は麦にあったのだ。
このような心理は、到底男には理解できなものではないか。
最終的に朝子は、麦と北海道に行く途中、我に戻って、また亮平のところへ戻る。
しかし亮平が朝子を許すはずがない。
ラスト亮平は朝子に「今回のことは一生許さない」と言う。
朝子は軽く「うん」と言ったきりだ。
麦と亮平の一人二役を演じた東出はなかなかうまい演技を見せた、朝子役の唐田 えりかも抑えた演技でなかなか好感が持てる。
映画の作りも若干若さの残る作りであるが、まあ好感は持てる。
観ていない方には観ることをお勧めする。

2018年、日本製作、カラー、119分、監督:濱口 竜介

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