1.世界の石油・天然ガスの生産量(続き)
(1-3) 主要国の2013~2022年の生産量推移(続き)
(急伸する米国、懸命に増産に励む中国、イラン!)
(1-3-3)石油+天然ガス(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-G03c.pdf参照)
石油と天然ガスの合計生産量について上位3か国(米国、ロシア及びサウジアラビア)と5位イラン、6位中国の過去10年間の推移を検証する。
2013年の石油・天然ガス合計生産量(石油換算)は米国とロシアは共に2,140万B/Dで世界トップを競い合っていた。しかしその後は米国の生産量が急伸する一方、ロシアの生産が停滞したため、2022年には米国の生産量3,460万B/Dとなり2013年の1.6倍に達した一方、ロシアの2022年の生産量は2013年とほぼ変わらない2,190万B/Dであり、米国の6割にとどまっている。
サウジアラビアは石油生産量では米国、ロシアと肩を並べているが(1-3-1参照)、天然ガスの生産量は世界9位(2022年)であるため、合計生産量は米国あるいはロシアに大きく後れを取っている。また過去10年間の生産量は2013年の1,300万B/Dに対して、2022年は10%増の1,420万B/Dにとどまっている。同国は大きな石油の増産余力を有しているが、価格政策を重視しており、ロシアも加わるOPEC+(プラス)でスウィングプロデューサーの役割を果たしている。一方で同国には天然ガス資源が
同国の石油及び天然ガス生産量の伸び悩みは
イラン及び中国はいずれも過去10年間で1.3倍前後の増加である。イランは石油・天然ガス共に十分な増産余力を持ちながら米国の経済制裁のため輸出が伸びず低い水準の生産を余儀なくされている。中国の2022年の生産量は石油が世界6位、天然ガスは4位であり堂々たる石油・天然ガス生産国であるが、後述するように消費量が米国に次ぐ世界2位であり需要が旺盛である。国内資源の開発が追い付かず生産増強に四苦八苦しているのが現状である。
(続く)
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