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Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

映画監督別10傑(9)大島渚

2018-03-21 00:10:00 | コラム
~大島渚のキャリア10傑~

出来上がったシナリオ―かなりの自信作―を、コンクールへの出品ではなく、まず著名な映画作家に読んでもらいたい。

そう考えた22歳の自分は、大島渚の住む鵠沼に向かった。
(以下、敬意を表してオオシマと表記する)

アポなしである。

「瞬間湯沸かし器」と称されることの多い怒りっぽい監督なので、どやされるかもしれない。
いっぽうで情熱家としても知られるから、逆に褒められるのではないか・・・などと、いろいろ想像した。

呼び鈴(だった)を鳴らすと、出てきたのは監督夫人。
小山明子として、オオシマ絶頂期を様々な側面から支えた才女がそこに立っていた。

「―そう、町田から来たの? いいところよね。でもごめんね、主人、いま体調が悪くて、ひとに会わせられる状態じゃないの」
「・・・そうですか」
「(シナリオを受け取り)でも、読むことは出来るから。ちゃんと渡しておきますからね」
「ありがとうございます」

たったそれだけの会話だったけれど、なんだか感動したなぁ!!


オオシマ、2013年1月15日に鬼籍に入る。

合掌。


(1)『絞死刑』(68)

死刑に反対するというより、死刑「制度」に異を唱えるという異色の国家批判映画。

それでいて笑えるというのが、この映画の面白さ。

予告編の最後が強烈なので、とにかくこれだけでも観てほしい。

ナレーションは、オオシマ自身が担当。



(2)『愛のコリーダ』(76)

猟奇的な側面で語られることの多い阿部定事件を、定と吉蔵の愛の神話として描く。



この物語に嫉妬を抱く男女は多いだろう、自分もそうなんだ。

(3)『少年』(69)

いわゆる「当たり屋」で生計を立てていた一家に焦点を当て、近代日本の暗部を捉えてみせる。

少年を演じる阿部哲夫の瞳が、ひたすら素晴らしい。

(4)『日本の夜と霧』(60)

公開打ち切りを決定したことに激怒したオオシマが、松竹を退社したことで知られる問題作。

延々と政治論争を繰り広げる過激な創りだが、めっぽう面白い。

(5)『儀式』(71)

ある一家の儀式―冠婚葬祭―を繰り返し描くことにより、見えてくるニッポン。

という狙いがあったはずだが、やや観念的に過ぎ、捉えどころがなくなってしまった印象は受ける。

ただ小山明子のエロスを堪能出来たので、結果オーライ! と自分は考えていたり。



(6)『青春残酷物語』(60)

無軌道な若い男女を描き、新世代の映画誕生を高らかに謳いあげる。

青りんごをかじる川津祐介―いま観れば、まさに「青いね!」となるかもしれないが、象徴的なショットとして記憶に残る。

(7)『戦場のメリークリスマス』(83)

はっきりいえば物語として、うまくまとまっているとは思えない。

思えないが、音楽の力でそれをカバーしている。



(8)『日本春歌考』(67)

「考」とはいうが、春歌に対する論考が展開されるわけではない、ただ延々と春歌を歌うだけの行き当たりばったり、、、な珍作。

前衛にもほどがある! と初見(高校2年生)は思ったが、伊丹十三が『家族ゲーム』(83)以上に好演しているので飽きることはない。

(9)『飼育』(61)

捕えられた黒人兵士が、村で「飼育」されていく。
大江健三郎、初期の代表作を映画化。

黒人兵と少年たちとの交流がきちんと描かれるので、ほかのオオシマ映画に比べれば観易いのかも。

(10)『御法度』(99)

『戦メリ』のテーマをさらに深化させた、オオシマの遺作。



近藤勇を崔洋一に演じさせたセンスはさすが。
この感覚が、北野武のキャスティング考に影響を与えていると思う。

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明日のコラムは・・・

『(作り笑い)また、今度ね…』
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酔いどれMAX

2018-03-20 09:52:59 | コラム
酒を呑んだというより、
珍しく酒に呑まれてしまい、なんとか自宅に帰還出来たものの、頭ぐらぐらしてきちんとしたモノが書けそうにない。

というわけで、きょうはおとなしくしています休載です。


美女と食事をして、



紳士的に彼女を送り、

そのあと、ひとりガールズバー(トップ画像)に行ったのが効いたかな。


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『映画監督別10傑(9)大島渚』
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やりたいキャラ

2018-03-19 00:29:08 | コラム
どんな形でもいいから、映画制作に携わっていきたい。

自分がまだハナタレ童貞ザーメン野郎だったころからの夢だが、
「どんな形でもいいから」とは矛盾してしまうものの、唯一考えられなかった職業が「俳優」だった。

顔の美醜やスタイルとは関係ない、カメラの前で演じるなんて想像出来ないもの!!

だから、上手下手・好き嫌いを超えて、俳優さんってすげぇな、、、とは思う。


そんな自分でも、自主映画制作などに関わっていると、演じなければならないケースも出てくる。
また、知り合った映画監督志望から「君に演じてもらいたい」とオファーを受けたこともある。

それは、新興宗教の教祖だった。

似合う?

そう?
悪かったな。

渋々受けたが、完成した映画をマトモに観ることも出来なかったよ。


ただ、映画を観ていて、もし俳優だったらこんな役をやりたいな! と思うとき「くらいは」ある。

きょうは、本サイトでよく言及する5つの映画から、出演希望リストを展開してみよう。

ごめんね、タイトルが紛らわしくて。
一部男子は、こんな女子キャラとエッチしてみたい、、、という企画だと思ったことでしょう。


『用心棒』(61)

加東大介が演じる、ちょっと頭の足りない亥之吉。

※左から2番目



『タクシードライバー』(76)

トラビスなんか演じられるわけがない。

そんな自分は、銃の密売業者を選ぶ。

しかし彼、銃専門かと思ったら、キャデラックやドラッグも受け持つんだね。



『レザボア・ドッグス』(92)

マイケル・マドセンが演じた、ミスター・ブロンド。(トップ画像)

やたらと銃を発砲し、警官の耳を切ってダンスをする狂人。

『グーニーズ』(85)

キー・ホイ・クァンが演じる発明少年、データ。

『桐島、部活やめるってよ』(2012)

前田くん(神木隆之介)より、その同志・武文くん(前野朋哉)のほうがいいな。



イケてる女子たちを指し、「俺が監督だったら、あいつら絶対に映画に使わないね」。

いってみたいもん、この台詞。

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『映画監督別10傑(9)大島渚』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(242)

2018-03-18 01:29:49 | コラム
どく「たー」→「たー」とる(タートル)

実家で飼っていたのは文鳥、チャボ。
ひとり暮らしをして飼ったのは、十姉妹にカメレオンにハムスター。



ほんとうはワンちゃんを飼ってみたいが、まだちょっと無理か。


現在は、いや現在「でも」自身を世話することで精一杯、しかしカメさん(turtle)だったらいけるかも?

かも? とかいう時点で、ペット飼う資格がないのは分かってますよ。


のんびり屋のイメージが強いけれど、いやいや我慢強いといったほうが適切な気がするし、凶暴なのも居るよね。

デカい甲羅に乗せてもらって移動、、、というのはまさにファンタジーだが、それが可能と思わせるくらいに、実際の甲羅は硬く、またカメさんも我慢強い。


映画で最初に想起するのは、やはり『ミュータント・タートルズ』(90)か。

コミックス→アニメーション→実写映画化、、、という流れ。

映画版は正直、なにが面白いのかと思ったが、カメさんと忍者の組み合わせが、子どもには愉快だったのは分かる。


※主題歌は、このひとが担当



個人的には、『ビバリーヒルズ・コップ2』(87)と『エル・マリアッチ』(92)が印象に残る。

前者では・・・



アクセル「このカメはなんだ?」
ローズウッド「ビッグアルだ。古株さ」
アクセル「好きな音楽は?」
ローズウッド「ジェームズ・ブラウン♪」
アクセル「(笑う)いいねぇ、こいつはオスか? ずっと疑問に思ってたんだ、カメのチンポってどこにある?」

という台詞が印象的。

いかにもアクセルっぽい疑問。


後者では、作品のゆったりとしたリズムを表現するために、カメさんが登場。



かわいかったな。


また、カメさんが「甲羅から首を出す」感じに見えることから命名された衣服がタートルネック。

といえば、やっぱりスティーブ・マックィーンでしょう。

THE男な俳優さん、でもファッションだってキメてるぜと。


自分?

なんか苦しそうなので、着たことがないです。

ホーケイだし。

うるせぇよ!!


※映画『ブリッド』(68)より、迫真のカーチェイスシーンを。

物語は忘れても、このシーンは覚えているよね。

そしてここで問題、このシーンには意外と知られていないNGがあります。

なんでしょう?




次回のしりとりは・・・
たーと「る」→「る」ーくすかいうぉーかー。

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『やりたいキャラ』
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シネマしりとり「薀蓄篇」(241)

2018-03-17 00:10:00 | コラム
くりんといーすとうっ「ど」→「ど」くたー(ドクター)

ドクター(doctor)といえば、すぐに医師を想起してしまうけど、博士もドクターと呼ばれる。

いずれにせよ「学」のあるひとで、自分なんか、こういうひとと対等に話せる気がしない。
向こうがそのつもりはなくとも、こっちのほうがムダに畏まってしまうというか。


博士と呼ばれるひとと、近づきになったことはない。
どのようにすれば知り合いになれるのかさえ、分からない。

医師に関しては、外科系のひとには世話になっている。

内科系とはちがって「痛いだけ」なので、けっこう荒っぽい医師が多いという印象。

花粉症?

病院に行って薬をもらっても相性が悪かったので、最近はあきらめて薬局のみ。


だから自分にとってドクターは、日常生活以上に「映画のなかのほうに」親しみが湧く。


以下、映画のなかで印象に残る「ドクター10人」。


(1)『博士の異常な愛情』(64…トップ画像)

米ソ冷戦を背景にした、キューブリックのブラック・コメディ。

「元ナチス」という、ひねりの設定があるキャラクターをピーター・セラーズが大怪演。

(2)『酔いどれ天使』(48)

黒澤と三船の初タッグ作、、、として有名かもしれないが、いやいや志村喬の代表作として知られるべきでしょうよ!!

(3)『フランケンシュタイン』(94)

マッドサイエンティストの典型。

評判の悪かったケネス・ブラナー版だが、個人的には嫌いじゃない。

(4)『逃亡者』(93)



ちょっと万能過ぎる医師かもしれない、しかし敵役のトミー・リー・ジョーンズがいい味を出しており、相乗効果をあげている。

(5)『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(84)

「1.21ギガワット!」

このシーンが笑えるのは、ロイドの適度なリアクションゆえ。



(6)『赤ひげ』(63)

黒澤ヒューマニズムの集大成。

40代になった三船が、迫力たっぷりに理想の医師像を体現してみせる。

(7)『レナードの朝』(90)

デ・ニーロ好きの自分だが、この映画のデ・ニーロはあんまり好きじゃない。

その代わり、、、というわけではないが、ロビン・ウィリアムズの抑えた演技は素晴らしい。



(8)『ディア・ドクター』(2009)

善意のある嘘というものを主題とした、西川美和のオリジナル作品。



笑福亭鶴瓶を起用した時点で、「勝ち」だったんじゃないか。

(9)『殺しのドレス』(80)

医師を性倒錯者と設定するあたり、さすが性格の悪いデ・パルマだと思う笑

(10)『羊たちの沈黙』(91)

「肝臓を喰ってやった。ずぅずぅずぅ~~」とかいっている狂人が、ドクターと呼ばれる不思議。



それでもここまで徹底していれば、むしろ崇高な存在にも映る。


あすのしりとりは・・・
どく「たー」→「たー」とる。

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明日のコラムは・・・

『シネマしりとり「薀蓄篇」(242)』
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