Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

Wild at Heart

2018-03-03 00:10:00 | コラム
久し振りに手掛けているシナリオの第一稿目が完成。

完成といっても一稿目は骨組みに過ぎないので、祝ってる場合じゃない。

少なくとも五稿目までいかないと「作品」として他者に読んでもらうわけにはいかない、
ただ気持ち的に少しだけ楽になったというか、細部の描写はこうしてやろうとか、「凝る」楽しみを持つ余裕が出来始めている。


作品の主題と向き合う毎日のなかで、よいタイミングで観ることが出来た映画がひとつ。

リアリズム描写に定評のある、キャスリーン・ビグローの『デトロイト』(現在公開中)。



67年、デトロイト暴動の最中に発生した「アルジェ・モーテル事件」に焦点を当てた社会派実録映画である。

細かい批評は避けるが、暴力というものが、いつ・どんな風に「発火」してしまうのかを丹念に描きこむ点において、ある種の実験映画だとも思った。


イヤなテーマではあるので、観るひとしか観ないであろう。

自分は「大」好物ではあるものの、そんな映画を立て続けに観ていたら「当然」鬱っぽくはなる。

ただ今回のシナリオが、この主題と直接的に関わってくるため、この数ヶ月で20本くらい「そんな映画」と向き合ってきた。

今宵は、そんな「暴力を主題とした、あるいは鋭い視点で暴力を捉えた」映画の10傑を展開してみたい。


(1)『ワイルド・アット・ハート』(90…トップ画像)

冒頭、ルーラ(ローラ・ダーン)にちょっかいを出した男を、セイラー(ニコラス・ケイジ)が殴り殺す。

やりすぎ描写でカンヌも騒然としたらしいが、相手が持っていたナイフでスイッチが入ってしまったのだろうか。

(2)『わらの犬』(71)

窮鼠猫を嚙む、を地でいく主人公。



最後の「帰り道が分からない」「俺もだ」の会話こそ、この映画の主題だろう。

(3)『悪い奴ほどよく眠る』(60)

暴力の根幹には、復讐心が宿っている。

だから復讐する相手が精神をやられようと、知ったことではない。

(4)『ゆきゆきて、神軍』(87)

カメラが回っていたから、暴力を振るっていたのか。

否。

しかしカメラの存在によって、「さらに」大胆にはなったのかもしれない。

(5)『グッドフェローズ』(90)

銃が暴発して、スパイダーの足は粉砕

開き直ったスパイダーに、バカにされる

それに怒ったトミーは、スパイダーを撃ち殺す


この世界では、こんな「阿呆らしい」単純なことが「間違いなく」起こっている。



(6)『眠らない街 新宿鮫』(93)

「警官は、サミットは守るけど、ボクたちは守らない」

(7)『オールド・ボーイ』(2003)

閉じ込められていた怒りが肉体改造へと向かわせ、解放された瞬間に暴力が爆発する。

(8)『リービング・ラスベガス』(95)

男は繊細なイキモノなので、性的にバカにされると暴力を行使し易くなる。

彼女が暴行される場面は、観ていてつらかった。



(9)『殺し屋1』(2001)

甘んじて暴力を受ける変人も、世の中には居る。

(10)『ドゥ・ザ・ライト・シング』(89)

日々の怒り、そして集団心理も働いての暴力か。

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明日のコラムは・・・

『PRIDE ~オスカー最終予想~』
コメント (1)
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