Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

(作り笑い)また、今度ね…

2018-03-22 00:10:00 | コラム
これは批判じゃなくってね、自分はそういう態度を取れないので、こんなことばを発してしまう、、、という話。


先日―。
先輩に、酒を奢ってもらった。

奢ってもらう立場であるからして「どこがいい?」と聞かれても、「先輩の好みでいいです」と模範解答を発する。

しかし平日の都下ということもあるのか、
23時にして、先輩が選んだ店が悉く「ラストオーダーの時間です」「まもなく閉店です」ときたもんだ。

いや、24時間営業の大衆居酒屋だったらありますよ。
ただ先輩は、かつて板前をやっていたひとなので、味はもちろん、店選びも厳しいわけです。

結局、雨のなか駅前をぐるぐるぐるぐる歩き回り、合流して45分後にやっと「そこそこの店」を見つけた。


その、45分間のあいだに起こった出来事。

同じ場所を行ったり来たりする、しかも中年男がふたり、、、なものだから、風俗系の客引きがすごい。

すごいといっても、10年前ほどじゃないけど・・・

「どうですか、乳首ツンツン。ツンツン乳首。もう最初から、ツンツン」

「ディープキスから始まる恋ってどうですか、キスしまくりでいきましょう」

「ムッチムチな子を揃えています。きょうは寒いから、ムッチムチで温まりませんか」


最初からツンツンしているのじゃ面白味がないな・・・とかは、いいんじゃ。

ともかく、これらの客引きを先輩は完全スルーする。

「存在しないもの」と解釈し、素通りする。

おそらく、これが正しいありかたなのだと思う。


しかし自分は、これが出来ない。

もちろん興味があるようなリアクションはしないよ、そのあとが面倒だから。

ただスルーは出来ないので、作り笑いを浮かべ「また、今度ね…」というのだ。

そうすると彼らも、今回はあきらめてくれるし。


彼らだって仕事だ、自分らに向かって話しかけてはいるけれど、女子たちだって通る道。

「ツンツン乳首♪」といっている姿を晒すのは、そこそこの勇気が要るのではないか。

だから「ごくろうさま~」の意味をこめて「また、今度ね…」といいたくなるのだった。


ついでに店選びの際も、同様。

「もうラストオーダーの時間なんです」といわれると先輩は無表情でスッと踝を返すが、

そのあと自分は店員さんに「早いですね、ここいらへんは、どこもそうですか?」などと声をかける。


「いいんじゃない、そんなに愛想を振りまくらなくても」
「(苦笑)いやぁ、性分なんですかねぇ」
「なんか隣りに居る俺が、ずいぶん不愛想に映る」
「(笑う)いやぁ、気分は舎弟なんで、いいんですよこれで」
「(苦笑)舎弟ってなんだよ、古いんだよ感覚が」


・・・古い、のだろうか?苦笑


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有吉弘行「―いまは条例とか出来て、昔ほどじゃないけど。上京して間もないころは、風俗の客引き凄かったよね。相方の森脇は防衛庁があった通りで客引きやっててさ、“おっぱい、ありますよ~。おっぱい、いかがですか~”とか、“あったかい、おっぱいどうですか”とか、客引きしてんのよ。“森脇はすごいな”って思ってたよ(笑う)」



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明日のコラムは・・・

『初体験 リッジモント・ハイ(258)』
コメント (3)
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