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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

質のいいお金!?

2010-05-18 19:31:56 | リンク
先日、コモンズ投信の渋沢さん(@shib30)、セゾン投信の中野さん(@halu04)、レオス・キャピタルワークスの藤野さん(@fu4)の共著、『運用のプロが教える草食系投資』(日本経済新聞出版社)を読みました。

3人の直販投信設立に至った経緯や思い、投資スタンスの違いなどがよく理解できました。また、販売会社主導の投信に対する考え方には共感しました。

本の中で印象に残ったのは、藤野さんの以下の発言。

『実はファンドマネジャーの運用技術って、成績に与える影響は、3分の1の要素でしかないんじゃないかなぁと思っていて。運用技術、「運用会社の理念」、そして「質のいいお金」、の3つが合わさって、初めていい成績が残せると考えています』

とくに、アクティブ運用の投信については、いろいろ分析しても「将来のことはわからない」。そう考えると、運用理念に共感して、資金を入れてくれる投資家がどれくらいいるかにかかっているのではないでしょうか。

そうでないと、相場が悪いときに解約したくなってしまったり、「こっちの投信のほうが儲かりますよぉ」という悪魔のささやきに乗ってしまったりということになりがち。そういう意味では、資金が安定的に入ってくるということは、投資家にとっても、運用者にとってもとても大切なことなんですね。

以前、推奨されることの多かった
このファンドにしても、2008年、2009年の流出がすごい。これでよい成績をだせというのは酷な気がします。


信託報酬が低めのこのアクティブ投信は以前は資金の出入りが激しかったけど、最近はちょっとずつ解約が続いてます・・・。
MHAM株式オープン

では、このファンドは? 
http://www.matonavi.jp/fund/F000000MLZ?

投信まとなびの資金の流出入をみているだけでもけっこういろんなことが見えてきますね。

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1 コメント

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質の良いお金? (Jiro)
2010-05-20 00:38:29
株式のアクティブ運用のそもそもの成り立ちを考えると、株式投資が上手な人が、知り合いから頼まれてお金を預かって運用した?その時に、だれがインデックスを意識したでしょうか?そもそも、インデックスって、あったのかしら、と思います。
当然そこに集まるのは、余裕資金であり、自分が他人に薦められて下手な株式や債券などに投資するよりも良ければそれでいい。そういう性質のおかねだったのではないでしょうか?
もともと資産家が財産を減らすことなく子孫に受け継ぐためのもの。今時の個別国のインデックスなぞに勝つことを目的とはしていなかったのではないでしょうか。
これらの欧米などのファンド、などと比較すると、日本の投信はその誕生からして資金の質を問うことなく、その投資の必要性を満たすためにかき集められたもの。それがここまで来たのは、大した進歩だと思います。

現代の日本の一般個人の資産運用について考えたとき、その資金の性格はどういうもので、どこに投資され、どんなリスクに耐えられ、どのような期待リターンを求めるべきなのか、冷静に分析し直す必要があるに思います。

そうした分析をした場合には、この3人の投信に対する考え方の違いは、今後決定的なものになるのではないかという気もいたします。

そういうことを思慮すると、今時の個人資産の1400兆円を投資へ!という掛け声については、スローガン大好き日本人の総論賛成、各論反対、結論先延ばし、というパターンに終わりかねないのではと危惧しています。

今できることを今、一歩でも前へ、との思いでこれらの方々の活動には喝采を送りたいと思います。が、それにしても、「一般大衆を動かす」ためには、今一つ、庶民感覚で腑に落ちる”納得感のある庶民の投資”の考え方を探りたいものです。

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