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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

FPバランスファンド!?

2009-04-28 10:49:46 | リンク
FP(ファイナンシャル・プランナー)会社が資産配分や投資対象の選定について助言する、投資信託が6月8日に設定されます。その名も、「FPバランスファンド」で、安定型と安定成長型の2タイプ。

詳しくは
FPバランスファンド(安定型/安定成長型)募集・設定について
ニュース リリース
もしくはEDNETをご覧ください。

このファンドは複数のマザーファンドとETFを通じて、国内外の株式、債券、REITのほか、商品指数に連動するETF)などに分散投資を行うしくみです。

社長の神戸氏は「生活者にとっての資産運用の王道といえる運用スタイル(時間を武器にし、複利効果を味方につけるためのローコストでの長期かつ分散投資)をそのまま形にしたもの」と述べています。

コストは、
信託報酬は年0.6825%
販売手数料は1.575%(東京三菱UFJ銀行で販売)
で、従来、銀行の窓口で販売されているバランス型やファンズ・オブファンズの中では低め。

基本資産配分や投資対象はFP会社の投資助言を参考に見直すスタイル。また、日経新聞の報道では「同社は販売会社や投資家向けのセミナーなど販売面でも協力する」とのこと。独立系のFP会社がどこまで投信の設計・販売に関わるべきかについてはいろんな意見があるかもしれません・・・。

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4 コメント

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控え目がよろしいようで、 (よさぼうず)
2009-05-02 18:17:10
FPの神戸さんは元々運用会社の経験もあり、なおかつその前は三菱銀行の方ですから、むべなるかな、という感じもあります。が、基本的には控える方がよろしくようで、と思います。実際FPの方も各種ファンドや保険等を紹介しますので、その商品組成に関わりたいと思うことは当然です。販売会社としても、低コストでつくる投信は、かいしゃによってはなかなか上司の決裁が降りないので、FP参加ということで風穴を開けるということもあるでしょう。ですので絶対にやるべきではないとは思いませんが、やはり「控え目がよろしい」のではないでしょうか。運用会社の方、販売会社の方、金融商品の低コスト化はさけてとおれません。特にインターネットの普及により、その勢いはかわりません。この現状認識の下、お客様に支持される商品や販売体制を構築しましょう。また購入者の方もしっかり見極める力を持つように努力しましょう。決して販売者の責任にしないように、ね。
ファンズ・オブファンズ? (預金王)
2009-05-10 06:34:34
>信託報酬は年0.6825%

二重のコストがかかるので、1.48%くらいでしょうか?
このFPは外債がお好きなようですね^^

個人向け国債とETFで十分なような気もしますが・・
FPバランスファンド設定の背景 (FPアソシエイツ )
2009-05-25 22:14:43
竹川さんこんにちは、弊社が関わるFPバランスファンドをご紹介していただき、有難うございました。
せっかくなので、このファンドに関わることになった
背景について、少しお話ししたいと思います。

竹川さんやよさぼうずさんが指摘されておられるとおり、FPというのは金融商品を買う側の代理人ですから、これまで弊社も金融商品の開発に直接携わる(売る側の立場に立つ)ことは避けてきました。

しかし、今回の商品はファンド・オブ・ファンズという形態をとっており、弊社が顧客に対して提示する基本ポートフォリオをもとに、その投資対象や比率を決めてあります。つまり、活用する金融商品を選び、それを組み合わせるという、FPの本来業務を行っているわけです。運用商品の開発でFPが関わってよい限界がファンド・オブ・ファンズではないかと考えています。

セミナーの講師を数多くさせて頂く中で感じていたのは、「FPに直接相談に行くまでの気持ちはないが、FPの考え方、運用方法は取り入れてみたい」という方がかなりたくさん存在しているようだ、ということでした。セミナーを聞いて、投資と投機的な行為を混同していたことに気づいたとしても、具体的にどうしたらいいかがわからない方は多いはずです。このファンドはそんな方が、投資への第一歩を踏み出すための商品という位置づけのものです。

個別の相談を承っていると、「増やしたいとは思うが、その十倍くらい損をしたくないという気持ちが強い」という相談者の思いが、ひしひしと伝わってきます。このファンドは生活者のそんな思いにお応えできるよう、ダウンサイド・リスクに最大限配慮した運用が行われる予定です。メーカー側の立場に立って、ファンド・オブ・ザ・イヤーを狙っているわけではないので、おそらく地味な運用実績になるでしょう。

個人投資家にとって「増やしたい資産、できれば手をつけたくない資産」の運用の王道は「長期かつ分散投資」だというのが弊社の考え方です。複利効果を享受するために基本的に分配金は出さない方針で、コストも長期運用では一番負荷が重くなる信託報酬を極力抑えてもらいました。預金王さんは勘違いしているようですが、使うETFやマザーファンドのコストを合計しても年率0.8程度です。

日本で暮らす生活者にとって、資産運用のメニューというものがあるとすれば、このファンドは「定食」にあたるものだと思っています。主に50歳台までの資産形成層向けと考える安定成長型(A定食)と、主に60歳代以降の資産保全層向けと考えられる安定型(B定食)の2種類を用意しました。

もちろん、弊社にご相談におみえになるお客様に対しては、ライフプランニングを行ったうえでそのお客様に適したフルコースをご用意するわけですが、このファンドを利用してくださる方一人ひとり、すべての人に適したフルコースを作るのは難しいので、ライフステージ別に、主食となりうるポートフォリオを組んだという形です。

ポートフォリオの比率や投資対象を自分で決めたい、定食での運用が嫌いな人ならば、アラカルトで自分でポートフォリオを作った方がいいでしょうが、ポートフォリオのメンテナンスまで考えると、運用初心者には荷が重いだろうと思います。このファンドで値動きのあるものでの運用に慣れていただきながら、アラカルトで自分の好みのおかずを足していける、運用の中級者あるいは上級者になって行っていただければと思っています。

なお、このファンドはタクティカル・アセット・アロケーションは行いません。基本的には販売用資料などに掲載されている投資比率を維持すべく、リバランスを行っていきます。かつてほとんどのTAA型ファンドがタイミングを計った結果、後追い運用に陥ったという事実を見てきているからです。バランス運用のリターンは相場観から得るのではなく、世界経済の成長を果実として得るものだと考えています。

ただし、世界経済の状況が大きく変化した場合や流動性のある新たな投資対象が登場した場合などには、分散投資の対象は見直すべきだと思っています。以前の米国一極集中経済ならば日米の株式と債券だけへの分散でよかったのが、世界経済の多極化が進む中で、ユーロ経済圏や新興国への投資が必要になるといったケースです。

おそらく、本当に入れ替えが必要になるのは数年に一度という頻度でしょうが、その必要性については少なくとも年に一度は検討して行くことになっています。
そういった、相場観に基づく戦術的な変更ではない、戦略的なアロケーションの変更は弊社がアドバイスしながら行っていく予定です。なにしろ長期運用用の商品なのですから。


P.S.
よさぼうずさんへ
弊社代表の神戸は銀行と証券会社への勤務経験はありますが、運用会社への勤務経験はありません。
弊社の取締役の中に、運用会社の元役員がおります。
年率0.8程度 (預金王)
2009-05-31 15:19:55
失礼しました^^;

神戸様の書物はよく拝見しています。
バランスファンドはもう飽和状態ですが、安定運用の手法は参考になります。

>TAA型ファンドがタイミングを計った結果、後追い運用に陥ったという事実

タイミング戦略はうまくいかないようですね!

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