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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
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「点検 新規投信」は興味深い記事 

2010-07-26 21:56:29 | リンク
今日の日経新聞では投信に関する話題が2つ載っていました。

1つは1面「個人の投信保有平均1年短く」のいう記事。
「今年6月末時点の株式投信の平均保有期間は2.8年と、前年同月より1年短くなった」とのこと。野村アセットはさらに短く平均保有年数は1.5年(!)だそうです。

2つ目は17面の「点検 新規投信」という記事です(編集委員・田村正之氏によるもの)。

新規設定された投信のうち各年度末で純資産の大きい10本の投信の翌年度以降の3年間の成績を類似分野の指数(インデックス)と比較したグラフは興味深いです。

新規設定で純資産総額の上位はアクティブ投信が並びますが、2010年を除き指数をかなり下回っています。新規設定の投信はどうしても資金が集まりやすいように旬のテーマに関連したものを設定しがちですが、そうした時期は相場が過熱気味で高値掴みしやすいことが主な理由でしょう。

この2つの記事、実はつながっています。
新しい、一見魅力的にみえる投信が設定されると、「これまでのものを解約して新しい商品を購入する」という具合に資金が移行するその結果、投信の保有年数も短くなってしまうと考えられるからです。実際、毎年多くの投信が新しく設定されて多くの資金を集めますが(大手投信では110本以上!)、その割に投信全体の資産が増えていきません。新規のお金が入ってきているというより、別の投信を解約して新商品を購入する人たちが多いからでしょう。

本来長期で資産形成をしていくツールとして活用したい投信の平均保有年数が3年未満では短すぎますよね。おまけに、新しい商品に飛びついても(あくまでも過去の結果はではありますが)対象指数を上回る成績をあげるのは難しい、ときています。

・新規設定のもの(いわゆる新商品)は買わない
・流行りのテーマのものには手を出さない
・過去の実績(リスクやコストなど)をきちんと確認する
 (→運用報告書を読んでみてほしいなあ)

を実践するだけでも大けがはだいぶ避けられると思うのですが・・・。

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