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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
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第1回投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ(その1)

2012-03-13 14:15:36 | 投信
3月7日に投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ(WG)の第1回会合が金融庁で開催されたので、傍聴に行ってきました。
こちらにそのときの配布資料がアップされています。

このWGは、投資家が安心して投資できるような環境を整備するのが狙い。夏までに中間論点を整理し、年末に最終報告をまとめ、来年(2013年)通常国会に関連法案の提出を目指すとのことです。

このWGの資料や議事録はすべて公開される予定です(3月13日時点ではまだ議事録はアップされていませんが…)。議論があらぬ方向にいかないように、個人投資家も含めて、しっかりチェックしていきましょう。私も時間の許す限り、傍聴したいと思います。

詳しくは「資料5」をご覧いただきたいのですが、投資信託の「主な論点」として、以下の5つを挙げています。

●国際的な規制の動向や経済社会情勢の変化に応じた規制の柔軟化等

①業務運営の効率化・柔軟化を図るため、ファンド間の併合や1つのファンドにおける複数の報酬体系導入を可能にしてはどうか
例)
・乱立する小規模ファンド間の併合を容易化するため、約款変更・併合手続きを簡素化してはどうか。
・報酬の柔軟化を可能とすべく、一つのファンドで異なる報酬体系を導入するための種類受益権を解禁してはどうか。

②運用会社の機能分化や各種業務への新規参入を促進するため、外部委託に関する規制を明確化してはどうか
例)
・運用以外の管理業務(基準価格算定業務などを含む)の外部委託については禁止されているわけではないが、外部委託の可否や外部委託を行った場合の義務・責任関係について明文がないことから、法令上明文化する必要はないか。

③投資家の保護に考慮した上で、投資信託業務運営の合理化・効率化を図るため、各種の規制の柔軟化を進めてはどうか
例)
・複数の投資信託がある運用会社の投資信託財産間の取引は原則禁止されている。投資家保護上の問題がないものとして例外的に取引が容認されるケースを拡大してはどうか。
・現状、投資信託の設定で現物出資が容認される場合、すべて現物で出資する必要があるが、ETFの設定を弾力的にできるよう、現金と現物を組み合わせた「混合出資」を認めてはどうか。
・機関投資家などプロ専用の投信で、より積極的な運用を可能にするため、責任限定信託制度を導入し、実務上も借入を可能にしてはどうか。

●一般投資家を念頭に置いた適切な商品供給の確保。

①投資家の商品内容等への理解・関心を深める背策を充実させてはどうか。

例)
・投資家にとって分かりやすい運用報告書にするための改善を含め、金融商品取引法上の開示規制と投信法上の開示規制との関係を整理する必要がないか。
・投資家がトータルリターンを把握できるよう、投資家ごとに基準価額と各投資信託への投資開始時からの累積配当・累積費用について定期的な通知制度を導入してはどうか。
・販売手数料や委託会社・受託会社・販売会社といった支払先別の信託報酬は開示されているが、使途を含め、その説明が不足しているのではないか。
・商品のリスクをわかりやすく表示する工夫が考えらないか。例:各投信のボラティリティを階級化して表示することなど。

②併せて、一般投資家に販売される投資信託のリスクについて、一定の制約を課すことの是非を検討してはどうか
例)
・一般投資家に販売される投資信託に限り、各投信が抱えるリスク量を制限することが考えられるか。
・外国籍投資信託のわが国への持ち込みについて、商品内容などの観点から、国内籍投信に求められる水準と同レベルのものに限るべきではないか。

投資法人に関する主な論点については資料をご覧ください。
WGでは資料に沿って、投信の現状、課題、主な論点について説明があった後、各委員より意見が述べられました(続く)。


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