最近すっかり話題の国立科学博物館。
「和食」展なる面白い企画展を開催しているので、応援も兼ねて行ってきた。
本館とは別の入り口から入るので混雑とは無縁。
まずは食材に関する展示があって
なぜ日本の水は軟水なのか、とか、ほとんどの野菜は実は外国からの渡来だとか、地味だけれどなるほどと興味深い展示。
西洋野菜と呼ばれるものはともかく、レタスが実は奈良時代に入っていて、白菜が来たのはやっと江戸時代とはびっくり。
渡来した野菜類はもちろんどんどん改良されて
地域ごとの大根だけでも面白い。
500㎏を超えるクロマグロの模型があったり
寿司ネタはどこの部分を食べているのかとか、思わずへえ。
科学博物館らしいのは植物標本で
なじみの野菜の標本も珍しい見せ方だが
海藻の標本はインテリアにしても良さそうなほどきれいでおしゃれ。
食材の次には日本の食事が時代ごとにどう変化して来たかの展示。
縄文時代から夏は魚介類、冬は獣肉類中心とかなりバラエティに富んだ食事をしていたらしく
卑弥呼の食事などもうすっかり「和食」。
日本は大昔から食に恵まれた土地だったとわかる。
奈良時代の長屋王の食事など今見ても豪華でおいしそうだけれど
庶民の食事は悲しい。
織田信長が徳川家康を接待した豪華な食事の再現もあるが、
一番興味深かったのはペリーが来航した時に出された食事。というのも以前、下田の黒船ミュージアムで、一人頭現在の価値にすれば50万円相当の食事をふるまったのに、アメリカ人たちは気味悪がってほとんど食べなかった、と知ったから。
どんなものかと見ると、江戸の一流料亭の料理人が用意したというこの食事、こちらに食べさせてくれえ、と叫びたくなるほどおいしそう。食べてもらえなかった料理人はどれだけ無念だったろうか。
江戸時代の外食は江戸の災害復興のために単身の職人が大勢集まったために発達したというのも興味深く
江戸時代の料理の作り方はQRコードを読み込むと見ることができるようになっている。
明治時代になると洋食が発達するが
河鍋暁斎の挿絵がついた料理本まで登場。
博物館ではカレーやオムライス、ラーメンなどは「和食」か、というアンケートを取っていて、その結果はリアルタイムで見ることができる。
個人的には日本の「洋食」は確かに日本独自のものだけれど、「和食」と呼ぶのはちょっと違うんじゃないかと思ってしまう。和食ではなくJapanese Food 日本食、かな?
戦後の食生活の変化を紹介するのにサザエさんを使っているのもとても面白い。
台所や食事がたくさん登場するところ、さすが女流作家ならではだろうか。
生活の変化が実に分かりやすくて、新聞マンガの鏡。
日本各地のお雑煮の紹介もよくあると言えばあるけれど、サンプルがリアルでわかりやすく、我が家は東京風だけれど、長野や長崎がすごくおいしそう。
この展示に限らず、観覧者の感想を聞いているのもなかなかおもしろいのだ。
特設のショップも力が入っていて、食品サンプルの出来が見事だけれど、ネギ塩牛タン11,000円はちょっと手が出ない。
2時間近くもこの特別展を楽しませてもらって、少し常設展も覗いて行こうかと思ったが、本館に行ってみると小中学生の社会科見学でものすごい混雑。
科博がクラウドファンディングに踏み切った理由の一つはコロナで入場者が減ってしまったためだったそうだが、募金の成功とこの子供たちの戻りでしばらくは息がつけるだろうか。
久しぶりの「密」に恐れをなして退散した。
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しかもワラビスタンにあるとは。
暁斎は明治の職人絵師と言う感じですが、おどろおどろしい絵が面白いですよね。
次の蕨は鍋と暁斎。
「かはく」9億超。
応援の底力を見せられました。
さて料理帖のイラスト画で
河鍋暁斎とあります。
夏に伺いましたワラビスタンに
子孫の方が運営している河鍋暁斎美術館があるのです。
次回伺うチャンスがあればここも寄りたい。