Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

「ゼロの未来」@恵比寿ガーデンシネマ

2015-06-04 18:32:53 | 機内食・映画・美術展
名前で追いかける数少ない監督の一人、テリー・ギリアムの新作が上映中なのですごく久しぶりに恵比寿のガーデンプレイスへ。

三越の奥にある恵比寿ガーデンシネマは今年の3月にオープンしたばかり。
  
 
なのでスクリーンは小さいが椅子は座り心地よく、ロビーやトイレまでおしゃれだ。

 「ゼロの未来」 The Zero Theorem 

未来のどこかでエンティティ解析なる仕事に追われる神経症ぎみの主人公。
一人で薄暗い崩れかけた教会に住んでいるが、扉を開けて一歩外に出ると「ブレードランナー」の世界がよりチープに、カラフルになったようなやかましさ。
「未来世紀ブラジル」や「12モンキーズ」を思い出させるところもたくさんあって、このところファンタジーっぽいものばかり撮っていたテリー・ギリアムがSFに帰って来てくれたのがうれしい。

以前の作品を思い起こさせるのは実は「未来」のガジェットがギリアムの30年前の映画とあまり変わらないからで、主人公の仕事がビデオゲームのようだったり、画面にはスマホも登場するものの主人公が待っているのは固定電話だったり、さすがのギリアム御大も先端テクからはやや遅れ気味かなと思う。
しかしデータを送る時に機械の中から手が出てきてひったくっていたり、ファンタジーを共有するための衣装がへんちくりんだったり、キッチュな想像力は健在なようだ。

ゼロの解明とか存在の意義とか、思わせぶりながらテーマはわりと単純でわかりやすい。
しかし考えてみればギリアムの過去の映画もそうで、やはり彼の映画はその奔放なイメージを楽しむべき。
今回はただ主役のクリストフ・ヴァルツがシリアスすぎて、「未来世紀ブラジル」のジョナサン・プライスや「12モンキーズ」のブルース・ウィリスのようにシリアスな中にもとぼけた感じがなかったのが残念。上司役のデヴィッド・シューリスはいかにもギリアムの映画らしいキャラクターでよかったのだけれど。

もう一つこの映画で面白かったのはマネージメント役のマット・デイモン。髪をプラチナブロンドにしてメガネを掛けた姿はてっきりフィリップ・シーモア・ホフマンだと思ってしまった。この二人って似てたんだ。

ともあれギリアムおじさんにはぜひまたぶっとんだSFを撮っていただきたい。


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コメント (3)
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