Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

新潟二人旅 2 ミティラー美術館

2009-11-11 19:49:19 | 国内旅行
まつだい駅で列車を待っていたらこんな車両がやってきた。
 
先頭には「愛」、横っ腹には妻夫木聡がどーんと描かれた「天地人列車」。
このエリア、今年はNHK大河ドラマさまさまだった模様。

妻夫木君と向かったのは3つ先の美佐島駅。
 
トンネルの中の駅に降り立つと2つの自動ドアの向こうには長い階段がある。

他には誰も降りる人もいない駅、階段の上はすぐ外かと思いきや、意外にもこぎれいな駅舎があって、なんと畳敷きの待合室まである。
 
駅前には何もなく、車も通らないと言うのになぜこんなところにこんな駅舎が、と思ったら、この近くに某宗教団体の合宿所があるらしい。なるほど~。

誰もいないこの駅からタクシーを呼んで、山の中の細い道を10分ほど走ると、小さな池のほとりにその建物はあった。
 
廃校になった小学校を利用したミティラー美術館。
[ミティラー美術館]Mithila Museum

 半開きになった入り口に安心して中に入ると内側の扉は閉ざされ、携帯電話がぽつんと置かれている。指示通りに電話すると待つことしばし、どこからいらっしゃったのか、係りの女性が車で乗り付け、鍵を開けてくれた。

 小学校の体育館だったと言う部屋の天井は高く、広い空間だが、2004年の中越地震の影響がいまだに残り、内部は倉庫のようにいささか雑然としている。
しかしあちこち破損したテラコッタをよけながら絵を見ているうちに次第に楽しくなってくる。

 
絵葉書から マハー・スンダリー・デーヴィー 「コーワルとアリパン」 部分 

元々はインドのビハール州で家の壁に描かれていたと言うミティラー画がおおらかでかわいいのだ。
2メートルもあるような紙を埋め尽くす、花、果物、大きな目の神様、動物たち。

素人女性の副業として紙に描かれて売られるようになるうち、プロの芸術家として認められる人たちも出てきた。この美術館に飾られているのはそんな画家たちの絵だが、中でも自分が気に入ったのはゴーダワーリー・ダッタさん。
 絵葉書から 
「ダマル」という神様の鼓を描いたこの絵は191cmx282cmもある大作だが

煤や赤土など自然の顔料で描かれた模様の細かいこと。描き上げるのに半年もかかったそうな。

ミティラー画とともにこの美術館に飾られているのは赤茶色の地に白い線画を描くワルリー画。
これがまた大昔の岩絵にそっくりで、でも現代の絵なので列車やバスまで登場して実に楽しい。
中には冬にこの美術館に泊り込んで製作した画家による大雪の絵なんてものまである。
 
気に入ったので布に描かれた小さな原画まで買ってしまった。

体育館の絵をしつこく見ていたら「他にも部屋があるんですよ」と促され、校舎の中を移動。
 
ピアノのある部屋にだけストーブがあって、冬はここでお客に暖を取ってもらうのだそうだ。

我々もじっくり見学していたら体がすっかり冷えてしまった。
いい加減引き上げよう、とまたタクシーを呼んで待っていたら、もう一組、年配のご夫婦がいらっしゃった。物好きが他にもいるんだねえ、と思っていたら、なんと10分もしないでもうお帰り。もったいない。

 山の秋景色も楽しめたし、行くのは大変だけれどとても楽しいミティラー美術館だった。


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コメント (4)
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