本って、その時々で整理しきれないことがよくあります。
ただ、おおよその本にもパレートの法則(いわゆる2-8の法則)はあてはまるので、
きっちり初めから最後まで読もうとして、価値のある部分を通り過ぎてしまうことがないように、
価値のある部分をきちんと読み、価値のないところは飛ばす、読み方も必要。
(今読んでる、速読の本にもそう書いてました。)
読んでおしまいではなく、価値のある部分を反芻して、血肉にするための工夫をしたい。
そういう意味では、価値がある、と思える本については、
読了した単位で必ずしも整理できなくとも、折りにつけ、何度も繰り返し、
切り口やテーマに応じて引っぱりだしてくる、というのもありです。
読んだ時には、自分が追いついてなくて理解できない、といったようなこともあるでしょうし。
(↓)哲学めいたことを科学的な視点に立ち返って捉えなおす、基本の書になりました。
単純な脳、複雑な「私」 池谷裕二 朝日出版社 このアイテムの詳細を見る |
この本の中に生命や人間の意志について示唆を与えてくれる、
「ラングトンの蟻」と呼ばれる事象を紹介しているくだりがあります。
人生の極意、と言っては大仰ですが、様々なものごとの説明につながっていく鍵を見つけたような、
純粋なオドロキを与えてくれたので、スクラップしておこうと思います。
さて本題の「ラングストンの蟻」とは…
蟻(アリ)がマス目を進む時のルールを2つだけ決めます。
① 白のマスに来たら、黒に変えて、右へ進む
② 黒のマスに来たら、白に変えて、左へ進む
※ このサイトで実際に何が起こるか確かめられます。⇒ ラングトンの蟻
(↓)サイトの動画をダイジェスト化したページ。
最初のうち、この単純な2つのルールに則って、悶々とマス目の中を動き回っているアリが、
1万回を超えたあたりで、ふと何かに気づいたように、強靭な意志を持ったかのように、
左下へ一直線へ進行し始めて、画面から消えて行きます。
何か生命っぽさ、のような意思のようなものを感じます。
あるいは生物の進化の瞬間に立ち会ったような感覚。
アリはマス目の色(白、黒)という環境に影響されて行動し、
一方でマス目の色を変えることで、環境へ影響を与えてもいる。
与えられた環境の中で、無秩序に、ゆらぎの中で、単純に動き回っていたアリが、
あれ、こういうことじゃないか、って安定した答えを見つけ出したかのように進行方向を急に変える。
アリが動作するルールに変わりはないのに、環境との相互作用が働くマクロの視点ではパラダイムシフトが起こったように見える。
池谷先生はこう言います。
~ 意志とか生命っぽさというのは、意外と簡素なルール、数少ないルールの連鎖で、環境と「創発」しあっているだけで、
僕らが単に、そこに崇高さを感じてしまっているだけじゃないか。
いつも通りの動作を繰り返しているにすぎないのに、
僕らの心が「意志」といったものを高度な機能だとして尊敬したくなるようにプログラムされているだけなのではないか。
う~む。。
いろんなこと(ゴルフの上達に始まって ヘ?(・・?、人間の意志や能力開発、生物の進化、生命の誕生や死に関わるエントロピー増大の法則といったことに至るまで…)が、
結局は単純な法則に帰結し、つながりを持っているように思えてきます。
真理と呼ばれるモノは意外にシンプルなのかも。脳科学、おそるべし。
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