ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

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神経/ 織田作之助

2010年06月02日 | 読書ノート
オダサクの短編「神経」。

大阪を愛した作家には違いないのでしょうが、この「神経」という作品の中に、
次のような一節が出てきます。

~ 私は江戸っ子という言葉は好かぬが、それ以上に浪花っ子という言葉を好かない。

(↓)生前のオダサクを知る人は、都会的でスマートなお洒落な人で、人を喜ばすのが好きな、明るい人だったとのこと。
   実際に東京住まいもしているし、あんまり、大阪、大阪、っていうのもどうかと思う。



(↓)とはいえ、自分の住む土地には人一倍 愛着を持っている人だったようです。
   抽象や観念に走るのを嫌い、同じ関西に生きた井原西鶴に通ずるような世相や文化を反映したリアリズムのある戯曲などを好み、
   荘重厳粛主義的なものを嫌い、映画監督の川島雄三氏と日本軽佻派(軽佻浮薄派とも呼ばれるよう)を結成した新しもの好きな人。

小説「神経」の中でこうも言っている。
   
 ~ 紋切型がくりかえされるとうんざりするのは確かである。
   人は退屈か、軽佻か二つのうちの一方に陥ることなくして、一方を避けることはできない、
   軽佻を攻撃する気持ちは毛頭持ち合わせていない。
   しかし、生きて行くにはいやが応でも社会の約束という紋切り型を守っていかねばならない。

軽佻浮薄(けいちょうふはく)も良しとするが、紋切り型も否定しないリアリストでもある。
「思想なき思想」、ヘンなポリシーに固執しない、同感。



(↓)オダサクつながりで、この辺りも併せ読み。

(谷脇理史・吉行淳之介/新潮古典文学アルバム)

人生の卍凶区
藤本 義一
青春出版社

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