星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
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長期登攀計画… ?

2019-08-25 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
今年読んでいたミステリー本に出てきた言葉なのですが…  (結末がわかっちゃうので 題名は伏せますね)

、、主人公がある力に屈して罪を犯してしまうのです(正当防衛ともいえるような)… それで、少なくとも15年の懲役をくらうだろうと 覚悟して…

その15年を思ったときに書かれていたのが、、 「まあ、トーマス・マン全集を読む時間だけはたっぷりある…」 と。。 (記憶で書いているので本文通りではないかもしれません)

、、読みながら私 思いました、、(そうだよね、、)

主人公に深く同調しながら、、 (その時間はあるよ…)と、、

 ***

なんとなく、 あのときから私の中にも芽生え始めていたようです。。 いつかは読もうと考えていた(でも なかなか踏み出せずにいた) トーマス・マンの『魔の山』




岩波文庫 下巻の解説によれば、 「一九一四年の夏、第一次世界大戦がはじまり、マンは「魔の山」の稿をすすめえなくなって執筆を中断し… (略) …大戦がおわってから書きつづけられた「魔の山」は、一九二四年に発表された…」

、、昨冬読んでいた、 イアン・ボストリッジさんのシューベルト『冬の旅』の中でも 「魔の山」への言及がありました。 ミステリ小説でも 第一次大戦当時の物語をいくつか読みました。。 つい最近書いた ロバート・ゴダードさんの《1919年 三部作》も大戦後の各国の利害をめぐる物語でした。 前に書いた ゲレオン・ラート刑事が主人公のシリーズは、1929年から始まるベルリン、そしてドイツの体制の変化が描かれていました。
、、 ゴダードさんの三部作の続編は、 (まだ出版されていないけど)『魔の山』が出版された年と同じ、1924年のドイツが舞台だそうですし…

きっと、 今ならわたし読めるのではないかと…

『魔の山』の主人公の青年が療養生活を送るのは、 スイスアルプスのサナトリウム…(わたし、療養生活は詳しいわよ…笑) 、、スイスの文学は詳しくないけど、 ヴァルザーも読みました。 山岳の文学シュティフターも読みました。。 だから そろそろ 私もこの山へ脚をすすめることが出来るかしら…


秋にはまた 私も日本のアルプスの懐にひととき帰ります。。 (きっともうすっかり秋の空気に包まれていることでしょう) 

『魔の山』への登攀はゆっくりで良いのです、、 途中でまた ミステリ作品なども楽しみながら、、。 冬までかかっても、 来春までかかっても別に良いのだもの、、


しばらく前に、 (死ぬまでにあと何冊の本が読めるだろう…)って書いた事がありました。。 『魔の山』は外せないリストにずいぶん前から入っていたの。。 あと入っているのは、、 『アンナ・カレーニナ』と、、 『ドクトル・ジバゴ』の工藤先生の新訳、、 それから…… 笑

まだまだたくさんあるな…  60歳くらいまでにちょっとは叶えられるかな…? 


わからないや、、


長い旅かもしれないよ…

(でも ほんとうは いつの間にかはじまっていたんだよね、、)



…  ゆっくりと  …