「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

エネルギー新書「福島事故と原子力の明日」を上梓しました

2012-06-19 00:52:04 | 和歌

 三か月ほど前に、「学生とシニアの往復書簡 2011」をご紹介した。
これは学生と原子力OBが半年に及び、3・11の福島原子力発電所の事故を踏まえて、メールによる意見交換を重ねた成果を、日本原子力学会から限定出版したとのご紹介であった。限定出版はごく限られた関係者だけに配本したものだが、市民の皆様にも広くお読み頂き、福島事故の実態と原子力について、より正しい理解を求めるべきだとの強い要望が寄せられた。

 学生とのメール交換は、かなり専門用語なども多用した内容だったので、市民の皆様にお読み頂くための書き直しや再編集などを経て、この度、下に示すエネルギー新書を上梓した。

 

 一般書店に出回って間もないが、友人知人などから「読みやすい」「解り易い」などの声や、学生との往復書簡を疑似体験できるのは、親しみのもてる構成だとのコメントも寄せられている。

「学生とシニアの往復書簡 2011」にて、学生との交流を詠んだ和歌の幾つかを再び掲載して、学生の反応をご紹介したい。一人でも多くの皆様が手に取ってお読み願い、学生と一緒になって考え、意見交換して頂ければと念じている。


          この一年 苦衷を堪えて学生と

          メールを交わすは何を求むや


          ただ単に問いかけるでなく 僕はこう

          考えるのだと メールは告げきぬ


          半世紀の年齢の差を乗り越えて

          意見を交わす爺と孫たち


          人材の育成などとのキレイごとを

          超えるこころを 如何に伝えむ


          学生のメールの返事を心待ちに

          夜半過ぎまで あれこれ案じぬ


          次世代を担うは僕らのつとめぞと

          確たる思ひに触れてしびれぬ


          託すべき若者の思ひ 手応えを

          確かめぬるかも往復書簡に


          願わくば手に取る読者も学生と

          爺らの絆を共にされたし