「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「茱萸・ぐみ」

2011-05-16 16:45:14 | 和歌

 「うつろ庵」の「ぐみ」が、沢山の花を付けた。

 この「ぐみ」は、枝の半分ほどがガレージの屋根に覆われているので、謂わば温室効果があるのかも
知れないが、それにしても小ぶりの木にしては夥しい花数だ。





 この写真は大分拡大されているので、実物の花の大きさは三分の一程度だろうか。
小粒の花で、花の外側にはごく短い薄茶色の羽毛が、斑状に分布するので、ちょっと離れて観ればごく地味な目立たない花だ。
友人に言わせれば「華がない花だ」となる。

 花の写真をブログに掲載しようと準備したが、忙しさに紛れている間に、花の付け根がいつの間にか膨らんで幼い実が姿を現した。ところがこの頃は、かなりの数の幼い実を撒き散らして、虚庵居士を悲しませてくれる。
やがて実が赤く熟したら、可愛い孫娘と一緒に摘み取るのが虚庵居士の夢だ。
散り敷いた「ぐみ」の幼い実を掃きながら、
「おいおい、そんなに撒き散らさずにいてくれよ」 と言いたくなる欲張り爺さんだ。

 柿や果物は、六月頃になると果実が成熟を始める前に、自ら青い実を落として数を減らし、程よい数の果実を成熟させる自然の摂理がある。欧米では ”June Drop”と称するが、「ぐみ」は初夏には実が赤く熟すので、早めの ”June Drop”なのであろう。


            気が付けばぐみの花元膨らみぬ

            ブログに花を飾らぬいとまに


            稚き孫の娘は何時にしか

            小学生になりにけるかも


            ぐみの実の赤く熟さば孫娘と

            共に摘む日を夢見る爺かな


            身を振るい幼き実をば撒き散らす

            茱萸の知恵にぞ驚かれぬる


            身を削る己に厳しき生き方の

            茱萸の訓えにわが身を照らしぬ