「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「風船唐綿・ふうせんとうわた」

2006-12-06 21:19:06 | 和歌

 散歩の途中で、白い花と髭を生やした風船状の実に出会った。





 ユーモラスな「風船唐綿・ふうせんとうわた」を、最近は彼方此方で見かけるようになったが、近くでまじまじと見たのは初めてであった。これまでは異形の実が気になっていたが、花を観るのは初めてだった。唐綿の花は赤と黄色で上向きに咲くが、「風船唐綿」は白花で逆さに垂れて咲く。唐綿の実は細長い莢が割れると、中から綿毛があふれ出し、風に舞って遠くまで種子を運ぶ。この「風船唐綿」の髭付きの実も、やがて年が明ければ枯れ、中から綿毛が溢れ出すことになろう。


 可能な限り休まずに書き続けて来たが、余りの多忙さに追われて、書きかけのまま二週間余も放置した。昨今の冷え込みで「風船唐綿」は如何しているだろうか。

 連載を中断していたにも拘らず、連日五十名をも越える皆様にお訪ね頂き、心から感謝しつつ、皆様にご心配をお掛けしたことが心苦しく、申し訳なく存じております。




             髭生やすは 狸のふぐりに非らざるや
 
             「風船唐綿」異形の実なれば



             白妙の稚けき花の結びしか 
 
             毛むくじゃらなるむくつけき実は



             柴の戸を閉ざすにあらねど訪ねきて 
  
             佇む気配に こころ苦しも