哲学思考トレーニング 価格:¥ 819(税込) 発売日:2005-07-06 |
科学についての章もある。そこでは、今西進化論が取り上げられていて、なかなか興味深い。これが「議論のウソ」だと、ゲーム脳が話題になるわけだけれど、伊勢田さんの本では、もっと「ほんまもん」の権威の言説をクリティカルに読むトレーニングをする。
で、そういったクリティカル・シンキングのキモが、実は「思いやり」であることを強調しているのが面白い。
たとえば、論争というのは、闘いではなくて、地平の融合とう到達点にまで至るための協同作業なのだと捉えなおしたい。
ぼくはそういう協同作業は好きで、なんとかやってみることが多いのだけれど、よく失敗する。相手が協力的なら、実際、地平が広がる独特の快感がある(このブログのコメント欄なんかでも、時々、そういうことがあると思う)。でも、最初から、相手をねじ伏せようとしか考えていない相手だと、そううまくはいかないことも多い。たとえば、懐かしい「駅キレ若者」のエントリの時みたいに。
というのは、正確にはこの本の内容と重ならないのだけれど、それでも示唆に富んでいた。
おたがいにどんな認識の枠組みを持っていて、どう違うのか、というところを明らかにする努力を払うだけでも、ずいぶんコトは違うはずなのだなあ。
そのためには、思いやり、か。
疑似科学と科学の哲学 価格:¥ 2,940(税込) 発売日:2002-12 |
あと、伊勢田さんといえば、はずせないのがこの本。↑
議論のウソ 価格:¥ 756(税込) 発売日:2005-09 |