水はなんにも知らないよ 価格:¥ 1,050(税込) 発売日:2007-02-25 |
ニセ科学による胡散臭い水ビジネスについての解説書。
何年か前に、「磁気水」(だったかな)の活水装置を買わされそうになった母にプレゼントしようかな。
そもにしても、いい加減な水ビジネスがたくさんあるものだ。
これだけ「水」がもてはやされる背後には、水道水に対する不安・不信があるというのだけれど、その水道水が日本においては、世界的にみて屈指の「安全さ」を誇る皮肉。
そのおかげで、水ビジネスも大きな健康被害を人にもたらさずに済んでいるという話(原水はたいてい水道水だから)。
あとがきに書いてある、「自然界には質的に異なった多くの階層があって、それぞれの階層では固有の法則性がある」という見解、擬似科学にはまる人の多くが理解していない点だと思う。
量子力学の法則を、我々の日常生活での話に持ち込んだりすると、とたんにニセ科学だ。
煩悩の数を、元素の数で説明するのも。
この手の本って、悲しいことにエレガントにはなかなかなれない。
この著書は、非常に冷静に書かれているけれど美しくはない。
当たり前なのだけれど、切ないと思う。
その中で、美しいと思った認識が、あとがきの一文。
もちろん、美しくしようなんて著者はつゆほども思っていないだろうけれど、まとまった文章は「作品」と捉えてしまうぼくは、そこが気になってしまうのでした。この本の評価とは関係ないですね。まるっきり。