遠い道でも大丈夫
一歩づつ
途中に花も咲いてるし、鳥も鳴くし
と、Tさんは言う。
でも・・・・
その道が
ワタシには見えないのだ。
::::
暖冬だ、暖冬だといわれていたが、
このまま済むはずはないとは思っていた。
それにしても、ひどすぎる。
先日の雪で、ココは50cm以上積もった。
車は半分が埋まってしまい、
3時間かけて道に出られるだけの雪かきをした。
そして、
昨朝、恐る恐る運転し幹線道路に出てみたものの、1kmほどでギブアップ。
ガリガリ凍ってハンドルの取られる道は、ワタシの運転技術ではムリ。
泣きべそをかきながら、Kに助けを求め、Uターンしてもらいウチに引き返した。
それでも、
昼間の天気で硬くなった雪も少しずつは融け、
明日になれば良くなるだろうと思っていた。
なのに、
今朝起きたら、また、雪。
どんよりした空の色は、家の中まで入り込んでいて、
雪かきした道は消えてしまっていた。
100年に一度といわれた一昨年の大雪とまではいわないが、
ワタシがココにきてから、それに次ぐ雪の深さだ。
「高山は寒さは厳しいけれど、雪は大したことないのよ。
一シーズンに20cm位が2度ほどかな」
なあんて、聞く人ごとに豪語していたけれど。
もう言いはしない。
ひとばんのうちに
すべてのみちがきえてしまった!
おおきなみちもちいさなみちも
まっしろなゆきのしたに
みぎもないひだりもない
まえもなくうしろもない
どんなみちしるべもちずもない
どこまでもひろがるしろいせかい
どこへでもゆけるそのまぶしさに
こころはかえってたちすくむ
おおぞらへつづくひとすじのあしあとを
めをつむりゆめみながら
____谷川俊太郎「みち」____
::::
先日、飯岡千江子さんの個展を見てきた。
「迷路」と題された作品の前で足が止まる。
真ん中に、眼球が一つ。
どこを歩けば、目的地にたどり着くのやら。
右へ行って、いや違うと引き返し、左に行っては、こんなはずではと引き返す。
それではとばかりに前に進んではみるが、困ったことにすぐにそこは行き止まり。
もう今更後ろには行けやしないのだけはわかっている。
そんな迷路をぐるぐると、もうどのくらいほっつき歩いたか。
もしかすると、
もともと、ゴールなどないのかもしれない。
と、思った途端、
道そのものが消えてしまっていた。
道はどこにあるのか。
ワタシの右なのか?左なのか?前なのか?後ろなのか?
目をつぶり、
見えない道を一生懸命頭の中で思い探す。
そして、
心はいつしか疲れ果ててしまう。
時に、ごおっと風を誘い
霏霏の雪は、
すべての道を消してしまった。
「いつまでも
ここにたどり着くことはできないのだ」と、眼球が囁いた。
一歩づつ
途中に花も咲いてるし、鳥も鳴くし
と、Tさんは言う。
でも・・・・
その道が
ワタシには見えないのだ。
::::
暖冬だ、暖冬だといわれていたが、
このまま済むはずはないとは思っていた。
それにしても、ひどすぎる。
先日の雪で、ココは50cm以上積もった。
車は半分が埋まってしまい、
3時間かけて道に出られるだけの雪かきをした。
そして、
昨朝、恐る恐る運転し幹線道路に出てみたものの、1kmほどでギブアップ。
ガリガリ凍ってハンドルの取られる道は、ワタシの運転技術ではムリ。
泣きべそをかきながら、Kに助けを求め、Uターンしてもらいウチに引き返した。
それでも、
昼間の天気で硬くなった雪も少しずつは融け、
明日になれば良くなるだろうと思っていた。
なのに、
今朝起きたら、また、雪。
どんよりした空の色は、家の中まで入り込んでいて、
雪かきした道は消えてしまっていた。
100年に一度といわれた一昨年の大雪とまではいわないが、
ワタシがココにきてから、それに次ぐ雪の深さだ。
「高山は寒さは厳しいけれど、雪は大したことないのよ。
一シーズンに20cm位が2度ほどかな」
なあんて、聞く人ごとに豪語していたけれど。
もう言いはしない。
ひとばんのうちに
すべてのみちがきえてしまった!
おおきなみちもちいさなみちも
まっしろなゆきのしたに
みぎもないひだりもない
まえもなくうしろもない
どんなみちしるべもちずもない
どこまでもひろがるしろいせかい
どこへでもゆけるそのまぶしさに
こころはかえってたちすくむ
おおぞらへつづくひとすじのあしあとを
めをつむりゆめみながら
____谷川俊太郎「みち」____
::::
先日、飯岡千江子さんの個展を見てきた。
「迷路」と題された作品の前で足が止まる。
真ん中に、眼球が一つ。
どこを歩けば、目的地にたどり着くのやら。
右へ行って、いや違うと引き返し、左に行っては、こんなはずではと引き返す。
それではとばかりに前に進んではみるが、困ったことにすぐにそこは行き止まり。
もう今更後ろには行けやしないのだけはわかっている。
そんな迷路をぐるぐると、もうどのくらいほっつき歩いたか。
もしかすると、
もともと、ゴールなどないのかもしれない。
と、思った途端、
道そのものが消えてしまっていた。
道はどこにあるのか。
ワタシの右なのか?左なのか?前なのか?後ろなのか?
目をつぶり、
見えない道を一生懸命頭の中で思い探す。
そして、
心はいつしか疲れ果ててしまう。
時に、ごおっと風を誘い
霏霏の雪は、
すべての道を消してしまった。
「いつまでも
ここにたどり着くことはできないのだ」と、眼球が囁いた。
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