草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

花ざかり

2016-06-22 18:18:47 | 山の暮らし






    たえまなくあちらこちらへ
    花盛りの枝が風に揺れ動く
    たえまなく ゆらゆらと
    私の心が子どものように揺れ動く
    晴れた日と曇った日のあいだを
    欲望と諦めのあいだを。

    花々が風に散って
    枝が実をつけるまで
    心が幼年期に飽きて
    おちつきを得て こう告白するまで
    不安にみちた生のたわむれは
    喜びにみち むだではなかったと。

       ___ヘルマン・ヘッセ『花盛りの枝』___




このあいだまで、満開を誇っていたヤマボウシやナツロウバイは、
今、あちこちで次々と咲いては散るシャラに時を譲り、
その一連の営みは、
毎日、ワタシを飽きさせない。

緑の丸く硬い小さなものが、
白く光沢のある、そう大きな真珠のようになったかと思うと、
ある日、ほわっと気品のある白い花びらを開かせている。
そして、
知らぬ間に、それはぽとりと地に落ちている。
音もたてずに。

その潔さを、
ワタシは飽きもせずに眺めている。
淡々たる営み。
しだいに、穏やかさがワタシの心を領してゆく。


これは、
こんなことは、なんでもないことなのだと。




 
 
 
 
 






             今、わが庭は花盛り。

             ジューンベリーは、
             今年もたくさんの実を付けた。
             鳥もワタシも食べきれないほど。
             ジャムにでもしようかな。。