たえまなくあちらこちらへ
花盛りの枝が風に揺れ動く
たえまなく ゆらゆらと
私の心が子どものように揺れ動く
晴れた日と曇った日のあいだを
欲望と諦めのあいだを。
花々が風に散って
枝が実をつけるまで
心が幼年期に飽きて
おちつきを得て こう告白するまで
不安にみちた生のたわむれは
喜びにみち むだではなかったと。
___ヘルマン・ヘッセ『花盛りの枝』___
このあいだまで、満開を誇っていたヤマボウシやナツロウバイは、
今、あちこちで次々と咲いては散るシャラに時を譲り、
その一連の営みは、
毎日、ワタシを飽きさせない。
緑の丸く硬い小さなものが、
白く光沢のある、そう大きな真珠のようになったかと思うと、
ある日、ほわっと気品のある白い花びらを開かせている。
そして、
知らぬ間に、それはぽとりと地に落ちている。
音もたてずに。
その潔さを、
ワタシは飽きもせずに眺めている。
淡々たる営み。
しだいに、穏やかさがワタシの心を領してゆく。
これは、
こんなことは、なんでもないことなのだと。
今、わが庭は花盛り。
ジューンベリーは、
今年もたくさんの実を付けた。
鳥もワタシも食べきれないほど。
ジャムにでもしようかな。。