あまたの碑の林立する中を歩いてきた。
木があった
風があった
土があった
言葉がなかった
31年が経とうというのに
黒く焼けた大木があった
魂に寄り添う風があった
悲しみを抱く土があった
そして
押し殺した言葉があった
あれから31年が経とうというのに
慰霊の登山を待っていたかのように当地も梅雨に入った。
今年はどうしたことか。
いつまでも寒さが抜けきらず、ストーブの掃除ができずにいる。
霧に覆われた今日は、
薪ストーブの前で、グリュミオーのヴァイオリンをノイズの入ったレコードで聴いていたが、
突然途切れた人生のひとつひとつ、あの日を想い、切なくなってしまった。
武満徹のノヴェンバーステップスにしよう。。
ゆうぐれの陽のなかを
三人の児が
ななめの畑をのぼってゆく
みていれば なきたい
〇
ああちゃん!
むやみと
はらっぱをあるきながら
ああちゃん と
よんでみた
こいびとの名でもない
ははの名でもない
だれのでもない
____ 八木重吉「ことば」____
木があった
風があった
土があった
言葉がなかった
31年が経とうというのに
黒く焼けた大木があった
魂に寄り添う風があった
悲しみを抱く土があった
そして
押し殺した言葉があった
あれから31年が経とうというのに
慰霊の登山を待っていたかのように当地も梅雨に入った。
今年はどうしたことか。
いつまでも寒さが抜けきらず、ストーブの掃除ができずにいる。
霧に覆われた今日は、
薪ストーブの前で、グリュミオーのヴァイオリンをノイズの入ったレコードで聴いていたが、
突然途切れた人生のひとつひとつ、あの日を想い、切なくなってしまった。
武満徹のノヴェンバーステップスにしよう。。
ゆうぐれの陽のなかを
三人の児が
ななめの畑をのぼってゆく
みていれば なきたい
〇
ああちゃん!
むやみと
はらっぱをあるきながら
ああちゃん と
よんでみた
こいびとの名でもない
ははの名でもない
だれのでもない
____ 八木重吉「ことば」____