昼を少し過ぎたころ、
ちょうど、
マーラーの交響曲第4番に合わせるかのように、
雪が降り出す。
外では、
シャーシャーとわずかに音を立てているのだろうが、
締め切った室内では、それは聞こえない。
ゆったりと美しい3楽章のチェロの音が、
静謐な空間にあるだけ。
静かだ。
静かだ。
全く静かだ。
天上で、
天使たちが遊び始めたようだ。
だが、ひとときのにぎやかさは、
いつの間にか遠のく。
静かだ。
静かだ。
再び静かだ。
と、突然
薪ストーブの上のヤカンが、
シュンシュンと音を立て始めた。
今夜は、しっかり降り積もりそうだ。
しんしんと、
しんしんと。
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
___三好達治「雪」___
ちょうど、
マーラーの交響曲第4番に合わせるかのように、
雪が降り出す。
外では、
シャーシャーとわずかに音を立てているのだろうが、
締め切った室内では、それは聞こえない。
ゆったりと美しい3楽章のチェロの音が、
静謐な空間にあるだけ。
静かだ。
静かだ。
全く静かだ。
天上で、
天使たちが遊び始めたようだ。
だが、ひとときのにぎやかさは、
いつの間にか遠のく。
静かだ。
静かだ。
再び静かだ。
と、突然
薪ストーブの上のヤカンが、
シュンシュンと音を立て始めた。
今夜は、しっかり降り積もりそうだ。
しんしんと、
しんしんと。
太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。
次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。
___三好達治「雪」___